このまちレポート

川崎市精神保健福祉家族会連合会あやめ会のみなさんと懇談しました

2017年7月29日

DSC_00147月19日、精神障害のある方の家族会であるあやめ会のみなさんと懇談しました。毎年ですが大勢のみなさんが参加してくださいました。

 

 

要望の主要事項として
精神障害に対する差別偏見をなくすための施策・活動の推進、条例の制定

差別偏見をなくすために、市が、多くの地方自治体でみられるような条例制定をめざす事。条例制定のプロセスを通して、市民や企業、教職員を含め市職員における差別解消意識の浸透を効果的に図ることができると思われるところから、市に積極的な条例制定への取組を求めています。差別解消条例(仮称)制定により、市の基本理念の形成と遵守事項の明確化等により、啓発活動がより活発に促進されるものと期待するとしています。

条例化については2016年12月議会で質問した事、法が取組を円滑に進めるために障害者差別解消支援地域協議会を組織出来ると定めており、障害者団体からも設置要望が寄せられていると指摘し、地域協議会の設置を求めたことを報告しました。

健康福祉局長は、「条例化については、複数の障害者団体と障害者施策審議会において、一部意見もあったが、条例化よりも具体的な取組が重要であるとの施策審議会での当面の結論が出された事を踏まえる」と答弁した事について、「当面」の結論という事ですから障害者団体のみなさんの意見をしっかり聴取し反映する事を求めた事。

また地域協議会の設置について「学識経験者、弁護士、当事者、家族会関係者を構成員として年度内に設置予定」と答弁し、今年3月に1回目の会合を開き、今年度も開催していくとしていることを報告しました。

また、新潟市の条例制定の取組を視察したが、新潟市は差別解消法の制定以前から、障害者団体等と市が、障害者の人権を守る条例の制定に向けた運動があったことを紹介し、障害者団体が声を上げる事が大切である事を確認しあいました。私は条例制定のプロセスが大切とするあやめ会の考え方に共感しました。

訪問型支援の推進では、
ご家族が訪問支援で一番切望しているのは、急性期等、引きこもり状態にある当事者を医療に繋げる糸口を見つける事であり、この面で切望されるのが各区保健福祉センター、精神保健福祉センターなど行政機関の専門職による自宅への訪問支援といいます。

市は障害者相談支援センターの再編整備の際、1つの役割として、どこにも繋がっていない障害のある方を行政に繋げる役割を担うとしました.また昨年度から地域包括ケアシステムを進めるとして区役所に地域見守り支援センターを整備し.地区担当の保健士等が困難を抱えた家族等への訪問活動を行なう事としました。こうした要望にしっかり応えられているのか、検証が必要と思います。

地域移行と地域定着支援の推進では

病院から退院に向けた相談支援の充実、退院後の生活訓練や生活支援・介護サービス給付等の充実、グループホームの整備等を求めておられます。退院後の居住先や生活状況、訪問支援が継続しているのか等を検証してほしい.グルー−プホームの整備計画は3障害が一括されているが、精神障害者のグループホームの整備目標等を明らかにしてほしい。

重度障害者医療費助成に入院医療費を追加するとともに、精神障害手帳2級も対象にしてほしい これも切実な要望であると思います。

精神科救急医療体制の確立を
現行は4県市による救急医療体制のため、受入れ病院が県内広域の対応なので、遠隔地であったりし、大変な負担となっています。必要な時に速やかに受診・入院出来るように改善が求められ、川崎市独自で対応出きるシステムを検討してほしいという要望も毎年寄せられている切実な問題です。

また、精神障害者の精神科疾患以外の対応について、受入れ困難な状況が生じないように、医療機関と協議の上、受け入れ体制の整備の改善を図ってくださいという、いわゆる他科救急の要望について、2016年3月議会でもとり上げました。健康福祉局長は、「消防局や救急医療機関と連携した実態調査を実施し、次期の地域医療計画に反映させる」とはじめて前向きな答弁をしましたが、改めて、実態調査の結果がどうであったか、しっかり反映させる取組を引続きしていかなくてはと思います。

その他として「窓の会」の切実な要望が説明されました。

あやめ会が事業として受託している地域活動支援センター「窓の会」は多彩な活動プログラムを実施しています.パンフには「引きこもりがちなみなさんが家からでて多くの方々と出会い.コミュニケーションをもってほしいと思っています」と呼びかけられています。ぶらっと会、友達をつくる会、パソコン教室、誕生日会、勉強会、女性のつどいなどが定期的におこなわれています。他にも音楽教室なども行なっています。たくさんの活動を行っているのに、職員は一人分だけの助成額とのことで、とてもひとりでは回しきれない.二人のスタッフは必要との切実な要望も寄せられました。これは当然だと思います。

全部の要望は書ききれませんが、取組んできた報告や意見交換もできました。引続きとりくんでいきたいと思います。