議会活動報告

「川崎市立学校の部活動に係る方針」について 文教委員会報告その2

2018年6月2日

学校教育の一環として行われる部活動は教育的意義がある一方で、教育委員会が2016年に行った生徒へのアンケートでも、楽しい(76%)反面、困っていることとして「勉強との両立」=50,2%や「もっと休日が欲しい」=38,6%という回答が寄せられました。2017年度に行った教職員の勤務実態調査においても88,3%の教職員が部活動は学校教育に大きな役割を果たしていると考えている一方で、部活動指導が長時間勤務の要因の1つにあげられるなど、その適切な改善がもとめられていると、担当課長は方針を示す意義を説明しました。

今回、市教委が示した方針は(1)部活動の組織と運営について、部活動運営委員会のもと、顧問会、部長会、保護者会を開催する。(2)部活動活動方針を策定し年間及び月間活動計画を作成して保護者説明会等で周知する (3)入部・退部・転部に当たっての配慮を示しました。

部活動指導員を全市で3人配置
今回質疑したのは、(4)指導・運営に係る体制の構築として、従来からの外部指導者のほか、今年度から試行的に3人を非常勤の部活動指導員として配置することについてです。

3人をどのような考え方でいつから配置するのかを質問したところ、6月から、次の3つのモデルケースで検証する。①主に平日の放課後に複数の部活の事務的な作業や会議に出席する=東橘中に配置 ②顧問として部活動を指導する=南大師中に配置 ③地域のスポーツクラブで指導者として活動している資格を持っている人=塚越中に配置することとしているとのことです。顧問と同等に引率ができるとし、①②は教員の経験のある方、部活の顧問の経験がある方を採用するとのことです。
横浜市は50人配置
川崎の3人の配置に対して、横浜市は50人の部活動指導員を配置すると聞いている。川崎の教職員の勤務実態調査から、長時間勤務の実態が浮き彫りになっている。特に休日出勤が月3日以上が75,5%にも上り、驚いたのは月7日以上が25%という実態、その業務内容は、部活動、クラブ活動が8割を占める結果が明らかになっている。こうした実態を改善するには、3人の検証ではあまりにも少なすぎる。横浜市並みに増やすべきと主張しました。

また、自分が一度も経験したことのないスポーツの部活顧問となる教員がとても多く負担感が大きいという実態や若い教員が長時間勤務をしている割合がとても高いことが、実態調査で明らかになっている。このことの改善が必要ではないかと質問しました。担当の課長は、そのために「外部指導員」を配置している。2017年度は43校に112名の外部指導員を配置していると答え、今後も継続していく考えを示し、部活動指導員と併用するとの見解が示されました。

他の委員から、部活動指導員の指導中に生徒の事故がおこった場合の責任の所在についての質疑もありました。

週当たり2日以上の休養日を設けること等の運営基準を示す
部活動における休養日及び活動時間については、成長期にある生徒が、運動、食事、休養、及び睡眠のバランスの取れた生活を送ることができるよう基準を示しました。週当たり2日以上の休養日を設ける。平日は少なくても1日、土曜、日曜は少なくても1日以上を休養日とする。1日の活動時間は、平日では2時間程度、学校の休業日は3時間程度とし、学校行事、種目、活動等の特性、地域行事等を考慮しつつできるだけ短時間に、合理的でかつ効率的・効果的な活動を行う等を示しました。

運動部活動は、専門的知見を有する保健体育の教諭や養護教諭等と連携、協力し、発達の個人差や特性など成長期におけるからだと心の状態等に関する正しい知識を得た上で指導することが必要と方針にも書かれていますが、いずれにしても学校現場と充分話し合いながら取組むことを求めました。