議会活動報告

地域の困難課題に対する市の対応について 一般質問①

2018年6月26日

25日、一般質問にたちました。テーマは、「敬老祝品贈呈事業について」「精神科救急医療体制の充実について」「民有地に関する地域的困難課題に係る相談取扱要綱について」「化学物質過敏症の児童生徒の学校の対応について」です。順不同になりますが報告します。

【地域の困難課題(いわゆるゴミ屋敷問題)に対する市の対応について】

地域のみなさんから困っていると寄せられている、いわゆる「ゴミ屋敷」問題について、川崎市には、そうした相談に対し、どう対処するかを要綱と運用指針にさだめています。具体的にどう対応しているのかを質問しました。

(石田)はじめに市民文化局長に伺います

「民有地等に関する地域的困難課題に係る相談取扱要綱」及び「運用指針」についてですが、設置目的、概要及び活用状況について端的に伺います。

(市民文化局長の答弁)

この要綱及び指針は、民有地の維持管理が不十分なため、近隣の安全安心な生活環境を脅かしている解決困難な事案に関する相談が寄せられた場合における対応について定めたものでございます。

概要につきましては各区役所に民有地等に関するご相談に関するご相談を頂いた場合、実地調査を行ない、改善策を求める事が必要と判断した時には、相談者へ対応等を助言し、また、必要に応じて所有者等に改善を求める事としております。

活用状況につきましては、区役所にご相談があった場合には、当該要綱等を活用し、関係局と連携して、実地調査等個別の案件に応じた対応に努めているところでございます。

(石田)高津区長に伺います。

高津区内の、ある民有地の敷地にごみが山のように積み上げられ、悪臭に悩まされるとともに、ねずみやはえ、虫が媒介し伝染病などの発生が心配という声、火事が心配等、周辺住民がとても困っています。ゴミは増える一方で重ねたゴミが上から落ちてきたり、最近はゴミの上にのこぎりや枝きりばさみの長いのが置かれていて、落ちてくるのが怖いとも言っておりました。住民からは区役所に相談、市長への手紙をだすなど、対応を求めたとのことです。

要綱や、運用指針にそっての対応についてですが、現地の現状をどのように把握されているのか伺います。

運用指針では、衛生害虫の発生、廃棄物の放置、臭気や有害物質の排出のおそれなどに対応する関係部署が定められていますが、関係部署の対応について伺います。また、住んでいる方の健康、衛生状況についてもどのように把握されているのか、どのように接触されているのか伺います。

また、区役所として、今後どのように対応する考えなのか伺います。

(高津区長の答弁)

現状の把握につきましては、区役所職員が現地を調査し、家屋の敷地や接する私道上にさまざまなものが積み上げられている状況を確認しているところでございます。

次に関係部署の対応につきましては、現在の状況が周辺の生活環境に影響を及ぼしているとうかがえる事から、衛生面、火災予防、廃棄物等に関する各部署に情報を提供し、共有しているところでございます。

一方、民有地内の私物については所有者の承諾なく撤去、処分する琴似は、課題があると考えております.区役所といたしましては、所有者ご本人へ適切な管理をお願いするため、繰返し訪問しておりますが面談に至っておらず、ご連絡を頂けるよう手紙の投函をおこなっているところでございます。

次に健康状態の確認につきましては、かねてから、地域見守り支援センターの保健師が、自宅や立ち寄る可能性のある場所へ訪問し、面談を行うよう努めております。

今後の対応につきましては、ご本人の住宅環境の改善や生活支援の面から、引続き粘り強くアプローチを行い、信頼関係を築きながら、課題の解決に向けた話合いができるよう取組んでまいりたいと存じます。

(要望)

よろしくお願いします。私はこうした内容の地域の困り事の相談が寄せられた時に、2014年にNHKテレビで放映され、その後、団で視察させていただいた大阪豊中市の社会福祉協議会のコミュニティーソーシャルワーカーの取組みを思い出します。第1話が「ゴミ屋敷」の問題でした。何度たずねても家主の方と合えなかったけれど、2年の間、何度も訪問を繰り返し、名刺の裏にひと言書き添えポストに投函を続け、やっと合えて、少しずつ関係性をつくりながら、実は片付けたいとご本人も思っていた事がわかり「お手伝いさせてください」と伝えると同時に、地域の方がたにそのことを伝え、自然にお手伝いをするという流れを、粘り強くつくりだしていったという取組みです。

コミュニティーソーシャルワーカー(CSWとは、従来の制度や法の枠組みでは充分に対応出着ない、いわゆる“制度の狭間”にいる人に寄添いながら、個人の問題を地域共通の課題として捉え、住民ボランティアとともに新たな支援の仕組みをつくり出していく地域福祉の専門職です。

2004年、大阪府の「地域福祉計画」の中に、コミュニティーソーシャルワーカーが位置づけられ、社会福祉協議会に配置されました.自治体の計画に位置づけられた事、そして担う豊中市社協のCSWの方は、その後NHKの「プロフェッショナル現代」にも登場されましたが、「困った人は、困っている人、それがなんであるかをつかみ、寄添いながら支援するのが大切です」といわれました。

高津区内にもう1カ所ある南部沿線道路沿いの空家になっている家のごみ問題も、そして今回の事案も、この間、担当の課長さんに、豊中の取組みを紹介させていただきました。豊中市のような制度がないなかで行政だけで行うのは本当に大変とは思いますが、現状では要綱、運用指針を使いつつ、関係部署が連携し粘り強く働きかけをお願いいたします。

先程区長から、引続き、粘り強くアプローチを行い、信頼関係を築きながら課題の解決に向けた話合いができるよう取組んでまいりたいと答弁されましたので、よろしくお願いします。

あわせて、制度の狭間、法的な課題を解決するには、自治体の地域福祉計画にソーシャルコミュニティーワーカーを位置づける事を要望しておきます。