日本共産党
前神奈川県議会議員

石田 和子

いしだ かずこ
くらしと平和 希望ある未来へ
石田 和子
ブログ

「このままでは必要な医療が受けられず命の選択始まる」逼迫する医療現場 〈県医師会会長をお招きして・12/25厚生常任委員会〉

2020年12月26日

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厚生常任委員会は25日、県医師会の菊岡会長と小松理事をお招きして医療現場の実態、県との連携についてのご意見を伺う機会をもちました。お二人にはお忙しいなか時間を取っていただきありがとうございました。初め30分ほどお話いただき、その後質問を受けていただきました。

菊岡会長はこのままのペースで感染者が発生すれば、来年1月中にも病床が満杯になる、ステージ4に到達する状況で、コロナでも入院できない、必要な医療を受けられず、命の洗濯が始まる」「このままだと救急医療の確保ができなくなるのでは。救急救命は全ての人の命を助けるのが使命だが、コロナ患者が多くなれば全ての人の命を助けられなくなる」と医療現場、医療体制の危機を訴えられました。

新規感染者を抑える事が今本当に必要で県民への提言を出した。60歳以下の方の移動が多くなると重症者の増大に結びつく。若い人は軽症や無症状が多いが、コロナが治った後の後遺症で悩まされている方が多いことなどをもっと知らせて、若い人の動きを抑えていく事が必要。

神奈川県はクルーズ船からのコロナ患者の受け入れから始まり、この間、治療を行ってきたが、コロナの対応は何倍もの医師と看護師が必要な中、検査や患者の減少による大幅な減収が生じている。昨年の4月と比べると今年の4月は外来が46%減、全体では24%の減収である。補正予算が組まれたが減収額の94%が補填されない。補正は4月からなので、2月3月分の補填はない。医療機関、医療スタッフへの誹謗中傷もあり、過重労働と緊張感で疲労はピークだとのこと。胸がつぶれる思いでききました。

特に看護師が一番大変。15%が辞めていく。コロナの関連で離職が22%にもなる。自分がかかってはいけないという恐怖感。誹謗中傷も受ける。満足に賞与も払われない。

防護服の着脱は大変で特に脱ぐときに神経を使い、脱いだと思ってもすぐにまた着るというようなこともある。

看護師以外の仕事もコロナの場合は多くしなければならない。第3波は高齢の患者が多くなり介護がメインの人も多い。病室に入れないため清掃やゴミ出しなども看護師がやる。

また、新型コロナは、軽症の方が重症になる。突然、牙を剥く事があるという特徴があるということも話されました。

1時間半ほど質疑と意見交換が行われました。メモを取りきれない部分があるので不正確で、足りない部分も多いのですが印象的なことだけ書きました。

菊岡会長と小松理事が帰られた後、同席していた健康医療局長、局次長、医療危機対策本部室長、保険医療部長との質疑を行いました。

私からは、看護師の離職が多いことが会長さんから離され、病床を拡大するには、看護師の人材確保が今非常に大事になっている。先ほど理事から介護が必要な高齢の患者が増えていることから介護の人材との連携の話がされた。私も、関西の方の病院で、看護師が大量に離職した病院があると報道で知った。まさに看護師さんがしなくてもよいことまでコロナの中ではやらなければならない事が重労働をひどくしているということがうきぼりになったと。病室に清掃業者や家族も入れないので看護師が掃除や細々とした身の回りの世話も担う。寝たきりの人には床ずれ防止のための体位を交換したり、認知症の方には丁寧な話しかけなど介護ケアなどがとても大変で過重労働も離職の原因になったという記事です。

県は11月14日に病床不足が予測されるとして医療アラートを出して、医療機関にベッドに拡大を要請したが、思うように増えず、即応病床の拡大のために、医師、看護師を新たに雇用する場合の人件費補助を行う「人材確保に関する補助金交付事業」を始めたが、看護助手や介護人材の方の新たな採用に対する人件費補助として、この事業の活用を検討できないかを質問しました。

「この要綱が今、手元にないが、医師、看護師のほか、特に認めるものとなっていたと思うが、そのような作りになっていたら、そこを活用して検討できると思う」との答弁でした。

あと、軽症・無症状者の宿泊療養施設と自宅での療養に関して、健康観察、容体悪化時に対応する医師の体制が大丈夫かという議論をしました。先ほど、医師会のかたから、軽症の方が重症になる。突然、牙を剥くというのがコロナ特徴だと言われたが、12月24日現在、7つの宿泊施設に、43I人、自宅に1278人の患者が療養している。今回県が示した対応は医師を一人追加配置するとのことだが、それで本当に大丈夫かと質疑し、増員配置も検討するよう要望しました。

なお年末年始の発熱等診療医療機関は今日の時点で408箇所になったということが医療危機対策本部室長より報告されました。

終わってみて、増え続ける新規感染者数ですが、ベッドの拡大が進まない中では、確かに新規の感染者を抑えることが医療崩壊を防ぐ上で重要です。そのための行動変容を呼びかけていくのも重要です。それと同時に県としてやるべき一番重要な対策は、医療機関への財政支援をもっと抜本的に拡大することだと思いました。

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