日本共産党
前神奈川県議会議員

石田 和子

いしだ かずこ
くらしと平和 希望ある未来へ
石田 和子
ブログ

国民健康保険料の値上げが心配される「令和5年度神奈川県国民健康保険事業特別予算」に反対しました

2023年5月7日

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大変遅くなりました。3月1日にさかのぼって質疑した健康医療局関連の議案、「令和5年度神奈川県国民健康保険事業特別会計予算(案)」についてです。

 日本は誰もがいつでも病院にかかることができる優れた国民皆保険制度があります。国保料は、事業主負担がある健康保険協会などの保険料と比較しても、保険料が高すぎて払えないという住民の声に応えるために、各自治体が、一般会計予算から国保特別会計に法定外の繰入れを行って、苦労しながら保険料引き下げに取り組んでいます。

しかし、国は、2020年度から各地方自治体の一般会計から、国保料金の値上げを抑制するための法定外繰り入れをやめさせるために、赤字解消計画を策定させ、その計画の進捗状況に応じて保険者努力支援制度の特点配分を設定し、締め付けています。

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2021年度についての得点配分は医療保険課作成資料)

・一般会計から「決算補填を目的とする法廷が繰り入れ」を行っていない市町村ー(満点の30ポイント獲得)= 21市町村

「決算補填を目的とする法定外繰り入れ」を行っていても6年以内に解消する計画を策定していて、計画通りに削減している市町村―(20ポイント獲得)= 0市町村

・6年以内に解消する計画を策定していて、目標達成していないが、その1/2以上の額を削減していない市町村―(0ポイント)= 2市町村

・6年以内には解消しない計画であっても計画通りに削減している市町村―(5ポイント獲得)= 3市町村

・計画通りに削減していない市町村―(マイナス15ポイント)= 2市町村

●以上のように、法定外繰り入れにマイナス評価を行う他、特定健診・保健指導の実施率に対しても評価の対象としています。特定健診の目標は70%に対し、2020年度の神奈川県の実施率は52,4%。特定保健指導の目標は45%に対し、実施率は18%。と非常に低い実施率であるとの答弁でした。低い理由は、受診を面倒と考える。いつでも受診できるからなど本人の意識に問題があるかの答弁では、とても受診率を高める取り組みはできないと考えます。

また、保健師が人口10万人あたり47位であり、保健師の指導の不足があると述べながら、保健師を増やすことには言及しない姿勢も指摘しなければなりません。

●質疑の中で、2023年度の市町村が県へ支払う国民健康保険事業費納付金は、前年度比で5,06%、1人あたり9,1,%の増加となったとの答弁。この納付金の増加を受けて、現在、市町村において、令和5年度の保険料の負担額を検討しているとの答弁です。これでは各市町村国保の保険料引き上げが避けられず、賛成するわけにはいきません。

以下は、国保料の値上げが避けられないとして、反対した理由です。

国は、2020年度から各地方自治体の一般会計からの決算補填目的などの法定外繰り入れをやめさせるために、赤字解消計画を策定させ、その計画の進捗状況に応じて保険者努力支援制度の特定配分を設定しており、法定外繰り入れを行なっていない市町村に満点の30ポイント付与、以下5段階に評価され、計画通りに削減していない市町村はマイナス15ポイントが設定されるなど、自治体の努力を締め付けています。

2021年度決算剰余金は、国庫返納金に全額充当したため、財政安定化基金に積み立てをしていないため、財政安定化基金の残高が少なく、新年度の保険料の軽減対策ができず、保険料の引き上げが十分考えられ、大変危惧されます。

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国民健康保険料は、協会健保などと比較しても保険料が高すぎて払えないという住民の声に応えるために、各自治体が苦慮しながら保険料引き上げを抑えるために取り組んできました。

本来、国の責任で保険料を引き下げるために国庫負担金を増やす必要がありますが、保険者努力支援制度で、自治体の努力を締め付けること自体、安心して医療を受けるための社会保障制度としての国民健康保険制度の目的から外れていると言わざるを得ません。

県もこれに準じた対応をしており、改善すべきと考えることから反対します。

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