日本共産党
前神奈川県議会議員

石田 和子

いしだ かずこ
くらしと平和 希望ある未来へ
石田 和子
ブログ

「最低基準の保育士で丁寧な保育の提供は可能」と知事—あまりの冷たさに怒り

2022年9月14日

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9月13日、代表質問に立ちました。順次報告していきます。まずは知事のひどい答弁だった「保育士の配置基準の改善について」(要旨)から報告します。音声からの書き起こしなので、議事録ではありません。

保育士の配置基準改善を国に要望し、県としても加配をと質問

4〜5歳児は保育士1人に子ども30人=74年前のまま

1〜2歳児は保育士1人に子ども6人=55年前のまま

【石田質問】

イギリスでは、0歳から2歳児は保育士1人に子ども3人、1対3の基準で、4,5歳児は1対8ですが、日本では1,2歳児は1対6と55年前のまま。4,5歳児は1対30で、74年前のままです。こども家庭庁を作り、「こどもまんなか社会」を実現するというのであれば、保育士の配置基準の改善は最重要の政策課題であり、直ちに改善すべきです。

労働基準法は1日8時間、週40時間労働を原則としています。一方、保育所は1日11時間、週6日、66時間開所、これが基本です

長時間の保育において、公定価格に基づく保育士の人数では、休憩時間や配置基準など法令を遵守してのシフトを組めません。

そのため現場では公定価格の中で、非常勤職員を雇い人件費を抑えるなどして、保育士を最低基準の 1,9倍の人員でやりくりしています。(スライド)それでも足りなくて、休憩時間が取れないという実態は労基法違反です。2021年3月発表した厚生労働省の「保育分野の業務負担軽減・業務の再構築のためのガイドライン」には、「休憩中に書類などの業務を行なっているために実際には休めていない」など、「休憩時間」が取れない声が紹介されています。保育士が休憩を確保することは、保育の質の向上の観点からも重要です。

一人一人の子どもの成長と安全にかかわる問題です。

〈そこで知事に伺います〉

① 1,2歳児の配置基準が1:6、4,5歳児が1:30で、一人一人の子どもに応じた発達の援助が丁寧にできると考えるか伺います。

② また、公定価格に基づく保育士の人数で、休憩時間や配置基準など法令を遵守して長時間保育のシフトを組めると考えるか伺います。

③ さらに、配置基準を引き上げることを国に要望するとともに、県として加配を検討すべきと考えますが見解を伺います。

【知事の答弁】

配置基準は国が児童の発達段階に応じて児童の心身の安全を確保するために必要な人数を算定したものですが実際に保育所が運営経費の給付を受けるには国の公定価格の基準を満たすことが必要です。

公定価格は例えば長時間保育を行う場合基準に加え常勤保育士1名の配置など体制強化を求めています。こうしたことから配置基準及び公定価格に基づく体制で適宜丁寧な保育の提供は可能であり、 配置基準の引き上げを国に要望することや県独自の加配を行うことは考えていません。→子どもの成長、現場の実態に想像力がないひどい答弁です

【石田再質問】保育士の配置基準について再度質問します。

1、2歳児が1対6で4、5歳児が30対1で丁寧な援助ができるかという質問と公定価格に基づく保育士の人数で長時間保育のシフトが組めるかという質問には正面からのご答弁を頂けませんでした。

私は長年保育士をしてきましたが一才児6人を一人で長時間保育するのは到底無理です。加えて現在はお昼寝のときに一才児は10分に1回の 睡眠呼吸チェックを行います。コロナ対応も加わり今保育現場の多忙化人員不足は深刻なレベルに達しています。

公定価格通りの人数で長時間保育のシフトは作れないため現場は国の配置基準の2倍近くの保育士を配置しているのが実態です。加配措置では加配の計算式が変更されて人員を減らされることがあるんです。

現実的には求人をかけても応募がない。就職しても早期退職が多いなど保育士確保がままならない事態が進行しており現場の努力も限界を超えていると聞いています。

小学校では40年ぶりに基準が改善され1学級当たりの児童数の平均は小学校基本調査によると22.7人とのことです。小学生より幼い4、5歳児が30人というのは納得ができないことです。

子どもたちには安心安全で質の高い保育が格差なく平等に保証されなくてはならないと考えます。子ども家庭庁を設置し基本理念に子どもの健やかな成長および発達の保障、子どもの最善の利益の優先的考慮、これが含まれています。

〈そこで知事に伺います〉

現在の配置基準に対する知事の認識今後配置基準の改善の必要性についての認識を伺います。また是非国へ要望していただきたいと思いますが再度伺います。

【知事の答弁】

保育士の配置基準の件でありますけども、どのように考えるかということでありますが、

配置基準は児童の心身の安全を確保するために必要な人数を算定したものであり、これにより保育の提供は可能と考えております。従って配置基準の引き上げを国に要望するということも考えておりません。

【要望】

加配と財政措置は私も大事だと思っております。しかし 2021年の 10月の厚生常任委員会のうちの上野委員がこのことも質問をしておりましてその時の課長は「国の配置基準いわゆる最低基準ですがこれは決して十分という基準ではなく文字通り最低限の基準だと考えております。従いまして児童福祉施設は最低基準を超えて常にその設備及び運営を向上させなければならないと規定をされております」とご答弁をされています。

(スライド)

これは児童福祉施設の最低基準第4条に定められている文言です。 先ほどもスクリーンにお示ししましたけれどもこれは常に向上させなければならないと規定されているまさしく最低の基準なんです。現場における最大の、そして長年の要求の基本は、配置基準の改善です。是非今、毎日の保育に必死に頑張る現場の声に寄り添っていただき是非国へ要望をしていただきたいとこれは強く要望させていただきます。これは長年の保育士の悲願です。よろしくお願いします。

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振り返って

要望を言うとき、怒りで強い口調になりました。

第4条で常に向上させなければならないと条文でうたっているにも関わらず、74年前と同じでいいんですか? 55年前と同じでいいんですか?

全く変えられていない。放置されている。現場の実態を訴えているのに、平然とこの配置基準でやれるんだという知事の答弁にも驚きました。国際的にも恥ずかしいことです。

しかも、課長の昨年の答弁より、後退していいのかと問いたいです。

代表質問の後の懇談会で、傍聴者の方から、あまりに冷たい答弁で、びっくりした。園長経験者の方からは、まだ、こんな状態で驚いた。自分は75歳だけど、これからも言い続けなければならないと思った。などの発言がありました。

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