このまちで子育て 議会活動報告

乳幼児健診及び乳幼児検査事業について質問しました【文教委員会決算分科会】

2017年9月27日

 小児医療4  3〜4ヶ月健診は、生まれて初めてのあかちゃんの健診です。首のすわりや発育等を医師が診るとともに、行政機関である保健福祉センターと各家庭をつなぐ目的もあります。保健福祉センターの保健師や助産師、栄養士等専門家に具体的なアドバイスを受け、育児の心配があれば相談にものってもらいます。多くのあかちゃんとママはこの健診の時に初めて自治体の子育て支援機関を訪れ、地域の子育て情報を収集したり、ママ友ができる機会にもなります。

しかし、川崎市は2016年度から、3〜4ヶ月健診を民間の医療機関に委託しました。医学的な確認の他、専門多職種によるアドバイスや育児の心配や不安にのる目的がどうなっているのか、保健福祉センターが未受診のあかちゃんとママを早期に把握し、訪問で発育の確認などの対応が速やかにできるのか、などいくつか気にかかって、この間も市役所の担当の課長から様子を時々聞いてきましたが、受診状況が明確になるのが、昨年度の決算を審査する今議会ということで質問しました。

はじめに乳幼児健診についてです 02c_0050
【石田質問】 
   乳幼児健康診査事業の2016年度決算額・4億1300万円余に関連して伺います。2016年度から、3〜4ヶ月健診が直営から民間医療機関に委託されました。2014年度から3年間の実施率を伺います。16年度については、対象人数、受診数,未受診数を伺います。
【子ども保健福祉課長の答弁】
3ヶ月健診の受診率につきましては、平成26年度が97,7%、平成27年度が96,6%、平成28年度が95,5%です。また、平成28年度につきましては、対象者数が、14,826人、受診者数が14,159人で、未受診者数は667人でございます。

【石田質問】 未受診児への対応についてです。
   昨年度の受診率は95,5%とのことですが、9年前、2008年度は98,6%で、3%も低くなりました。ここ3年でも受診率が毎年約1%づつ低下していること、未受診数が667人もいることが気になります。未受診のお子さんについて、リスクが高い母子が含まれている可能性がこれまでも指摘されてきました。未受診児について、これまで保健福祉センターで実施してきたときは、速やかに保健師が家庭訪問などの対応を実施していたと思いますが、委託したことで、今までと比べ保健福祉センターの把握が少しでも遅くなることがないか、保健福祉センターへの報告システムはどのようになっているのか伺います。昨年度でいえば667人への対応を速やかに行なったのか、支援が必要とされる母子への対応をどのようにとったのか伺います。
【子ども保健課長答弁】
   健康診査結果の報告は、毎月1ヶ月分をとりまとめて各医療機関から各区保健福祉センターに報告をいただいております。その結果を受理後、一定期間健康診査を受診していない児童を抽出し、全てのケースについて、速やかに電話や家庭訪問等により、受診勧奨を行うとともに、子どもの成長発達や家庭状況を確認、把握しております。

また、その中から、支援が必要な家庭につきましては、保健師等による個別の訪問や専門機関への紹介を実施する等、継続的な支援に繋げているところでございます。

【石田質問】 委託による健診時の相談支援についてです。
  健診時に、これまでは助産師や保健師などが育児相談、母乳相談や家族計画などにものっていたと思います。委託されたことでチエック項目は診て貰えるが、そうした相談はできないのではとの指摘があります。見解と対応を伺います。
【こども福祉課長答弁】
  個別の相談支援におきましては、それぞれの医療機関において、より専門的な保健指導を行っていただくとともに、別途、相談支援が必要と思われる対象者につきましては、各区保健福祉センターなどの相談先の情報提供や、直接保健福祉センターに継続支援の依頼をいただいているところでございます。

さらに、保健福祉センターでは、医療機関から送付された問診票等の記入内容を確認し、必要な場合には、当該家庭に連絡して状況把握を行う等相談・支援の体制を整えているところです。

④【石田質問】
  乳児健診のときに発達診断をしていないことへの不安と早期発見につながる発達診断も行なってほしいという要望があります。対応を伺います。
【子ども保健課長答弁】
  各乳幼児児健康診査における子どもの身体的発達、社会性の発達状況につきましては、問診内容や診察、多職種による相談により行っているところです。言語や社会性の発達等の課題の把握において重要な時期である1歳6ヶ月と3歳6ヶ月での健康診査におきましては、必要に応じ心理相談員が発達の相談を行っております.その中で、発達上課題のある子どもにつきましては、関係機関や保健福祉センターのフォロー相談につなげております。

【石田意見要望】 乳幼児健診について意見要望します。
   3ヶ月健診の未受診者への対応について、1ヶ月分の報告をまとめてうけ、1定期小児医療2間受診していない児童を抽出して連絡や家庭訪問を行うという事です。
また、健診時に、相談支援が別途必要と思われる対象者について、保健福祉センターに依頼がある。また、医療機関から送付された問診票の記入内容を確認し、必要な場合は状況把握を行うとのことですが、これで果たして対応が遅れることがないか。見落としがないか心配です。

生まれて最初の3ヶ月健診、そして7ヶ月健診や10ヶ月のフォロー健診が全て民間の医療機関で行われ,1歳半健診で初めて直営の健診となります。保健福祉センターがその間、支援が必要な母子を早期に把握し、見落とす事のないよう、関係機関の連携強化を強く求めます.母子保健事業の充実のために、助産師を各区に配置する事を求めます。また、今後、実態把握や意見を聴取するニーズ調査を行う事も求めておきます。

【石田質問】 新生児聴覚検査の実施について
   乳幼児検査事業として、生後5~8日の新生児対象の先天性代謝異常検査と満3歳半から4歳に達する前の幼児対象に視聴覚検査を実施しています。
聴覚検査ですが、言葉が遅いお子さんについて、3歳前後に気になって検査をしたところ、聴覚に障害があることがわかって、すぐに専門的な療育を行なったという事例を私は経験しています。もっと早く聴覚検査を受けていたら、早期治療ができたのにと悔やんでおられました。言葉の獲得、コミュニケーション能力の獲得のうえで、早期発見、早期治療はとても大切です。そのため、国は昨年度から新生児聴覚検査を実施するよう助成をしているとのことですが、本市も是非、新生児の聴覚検査の検討を求めますが伺います。
【子ども保健福祉課長答弁】
   新生児聴覚検査につきましては、平成28年3月に国の通知の一部改正があり、市町村において新生児聴覚検査の実施に積極的に取組む事や、検査については地方交付税措置がなされている事等が示されたところでございます。
本市におきましては、新生児訪問時等の機会を通じて保健師、助産師が新生児聴覚検査の有無や結果について確認するとともに、聴覚の発達上の課題があると思われるケースについては、耳鼻咽喉科の受診勧奨を行っているところでございます.検査費用の公費負担につきましては、他都市の動向等を踏まえ課題を整理するとともに、実施の可否について検討してまいりたいと考えております。

【後記】
   3ヶ月健診は、冒頭で述べたとおり、医師が3〜4ヶ月の乳児の成長・発達を確認するとともに、行政機関である区役所・保健福祉センターと各家庭をつなぐ目的もあります。育児不安やストレスを抱えている親、孤立しがちな親子が増加していることから、育児相談や家庭訪問の実施、虐待の予防上でも大変重要な機会です。しかし、民間に委託してしまった事で、1歳半健診まで、保健福祉センターと直接つながれません。答弁では、未受診者への対応や育児相談等を行っているとのことですが、これまでは、直接の関係だったのが、委託機関が間に入った事で、支援が必要な母子の報告や対応が遅れたりしないか、不安は払拭出来ませんでした。実態やご意見をお聴かせいただければ嬉しいです。