このまちで子育て 議会活動報告

保育所の待機児童解消についてです 【9月議会代表質問】

2018年1月4日

  2016年度、補正予算とあわせ、1895人の認可保育園の定員増を計画し、民間事業者活用型による募集を第5次までかけたにもかかわらず、多くの応募が得られなかった。その結果、1,520人の定員増に留まり、計画が未達成だったことがわかりました。市は、9月議会で、はじめて民間事業者活用型の整備は「補完的な整備」であると、答弁しました。川崎市はこの間、毎年、定員増の6割以上を民間事業者活用型による整備にたよってきました。共産党は、この手法では事業者任せになることから、不確かである。整備の基本は、市が責任をもって、公有地や民有地を活用して整備すべきであると毎年のように繰返し求めてきました。今回の代表質問で、このことがあらためて明らかになったと思います。

昨年9月、決算議会の代表質問でとりあげた待機児童解消について大変遅くなってしまったのですが報告します。(質問はほぼ全文、答弁は要旨です)

【質問】

今年4月の認可保育所の利用申請数は29,890人に達し、そのうち入れなかった保留児童数は2,891人といずれも過去最多でした。しかし、市の保育施策で対応している児童数や、保護者が育児休業中の申請等を待機児童から除外して待機児童はゼロとしました。マスコミでは「中原区の会社員は長男の出産時には8カ所以上、次男のときは13カ所の認可保育所に申込んだが全部落ちた。それが待機児童ゼロなんておかしい」と市民の怒りの声を紹介しました。

除外された「市の保育施策で対応」している中でも、2歳児で卒室・卒園するおなかま保育室や認定保育園、年度限定型対応の保育園に入所している方々は、必然的に翌年度に入所申請します。「特定の保育所等を希望する申請者」も再度入所申請する可能性はあります。受け入れることができる認可保育園の整備は不可欠ですが、待機児童から除外し、実態をみないで引算するこうしたやりかたの繰返しでは、いつまでたっても真の待機児解消にならないと考えますが伺います。

【子ども未来局長答弁】

待機児童数について従前から厚生労働省の定める調査要領に基づき集計している。なお、3月末に発出された厚生労働省の通知において、従前の調査要領に基づく計数を記載出来る事とする」との内容に基づき適切に対応したところです。

【質問】

急激な人口増加と保育ニーズの増加に対応した整備計画にすることについてです。本市の人口は推計を大きく超えて増加しています。保育ニーズも急増しています。就学前児童にたいする認可保育所の利用申請率は、初めて3割台になった2015年度が31,03%、16年度33,7%、17年度36,5%と、急速に増え、近い年度に就学前児童の4割台の児童が認可保育園に利用申請することが見込まれます。2016年度、認可保育園の増設等により前年より定員を1870人増やしましたが、入所申請は2312人増加、17年度は1847人の定員増に対し申請は2314人も増えるという状況で、入所申請の増加=保育ニーズの急増に、増設の規模とテンポが追いついていません。今年度に行なう「子どもの未来応援プラン」の保育の量の見込みと確保方策の見直しについて、今後まだ増加が続く人口と保育ニーズをしっかり反映すべきと考えますが伺います。

【子ども未来局長答弁】

平成27年3月に策定された「子どもの未来応援プラン」については、今年度に中間評価を実施し、30年度以降の計画について見直しを行う事としている。

現在、内部検討を行っている所であり、今後の改定に向けた作業については、本市の審議会である「子ども・子育て会議」においても意見を頂きながら進めていく予定。量の見込みと確保方策については、過去2年間の保育所等利用児童数の実績や、本年5月に公表した「川崎市総合計画第2期実施計画の策定に向けた将来人口推計」等を総合的に勘案し、策定してまいりたい。

【質問】認可保育所の整備計画についてです。(昨年度決算から)

平成28年度=2016年度の認可保育所整備事業に関わる決算について、整備計画では、6月補正含めて1895人分の予算を計上しましたが、整備されたのは1520人分、決算額は約22億7千万円で、不要額が約3億6600万円でした。整備が計画に達しなかった内容とその理由を伺います待機児童を真に解消するには、公有地、民有地を活用して、計画的に増設の規模を確実に確保するやりかたにもっと重きをおくべきです。伺います。

【子ども未来局長答弁】

平成28年度の整備については、6月に予算補正を行い、主に民間事業者活用型による整備数を増やす事としたものです。補正予算成立後に第3次募集を開始し、5次募集まで実施しましたが、限られた期間内で保育需要の高い地域に物件を確保する必要があり、また、保育士確保が困難な状況もあった事等から、多くの応募が得られなかったものと考えている。

次に保育所整備については,これまでも、保育需要が高い地域において、整備が可能な公有地や民有地を積極的に活用してきたところでございまして、平成30年4月の開設に向けては現在、3カ所の市有地と2カ所の民有地で整備を進めるとともに、民間事業者活用型の整備については、概ね20カ所を予定している所です。

今後についても、立地・利便性や周辺の保育需要を勘案し、利用可能な資源は最大限に活用するとともに、民間事業者活用型による補完的な整備と合わせ、必要な地域に保育受入枠が確保できるよう努めてまいる。

【質問】保育士の処遇改善について、9月補正予算が計上されました

私たちは、専門職にふさわしい処遇改善が必要とこれまで求めてきました。

民間の認可保育園、地域型保育園、認定こども園・幼稚園について、保育士に2%・月6千円程度の処遇改善ですが対象は何人か、全ての保育士対象か伺います

答弁】

国の「2%処遇改善」は、認可保育所、地域型保育事業、認定こども園、幼稚園の全ての職員が対象となっており、本市では今年度、約5500人を見込んでいる。

【質問】

キャリアアップ・処遇改善についても対象人数を伺います。同程度のキャリアを持つ人の格差が生まれない配慮の仕組みが担保されているのか伺います。

従来の処遇改善が経験年数11年以上になると頭打ちでしたが、今回改善されているのかうかがいます。保育士の確保のために、専門職にふさわしい、安定した継続的な処遇改善を図るには、基本的には抜本的な公定価格の増額が必要です。国へ要望すべきと考えますが伺います。

【答弁】

県が行うキャリアアップ研修の受講が来年度以降に要件となる「追加的な処遇改善」では、対象となる保育士等は、今年度、「副主任保育士」等の候補となる7年目以上で約1400人、「職務分野別リーダー」の候補となる3年目以上で約810人を見込んでいる。

国の制度では「追加的な処遇改善」の対象者数について施設ごとに算定する基準を設けているが施設内での公平性や経験年数11年目以上の職員に配慮する必要がある場合には、対象者を半数まで減らし、残った処遇改善費を他の職員に配分出来る仕組みです。

いずれにしても、国の新たな処遇改善が職員の給与に確実に反映されるよう的確な運用を進めてまいる。

【再質問】保育所整備についてです。

答弁では、2016年度、保育所の整備が整備計画に達しなかったのは、民間事業者活用型の募集に対し、多くの応募が得られなかったということです。また、今後について、民間事業者活用型の整備は「補完的な整備」ということでした。ということは、整備計画の主役は、公有地、民有地などを活用した整備計画という事ですから、この整備手法による整備場所と定員枠をもっと増やすべきです。伺います。

公有地については、中原区の中原保育園の仮園舎用地になる旧中原急患診療所の跡地、宮内市営住宅及び県西加瀬公社住宅の建て替えに伴う用地の活用、幸区の南河原保育園の移転後の跡地、神明町の老人いこいの家跡地、高津区の四方の嶺市営住宅跡地等、全庁的に可能な場所を確保すべきです.伺います。

【子ども未来局長答弁】

これまでも本市の低未利用値、道路予定地、市営住宅建て替えに伴う福祉関連施設用地等をはじめ、県有地や国有地、さらには民有地も含め活用をはかってきたところです。今後についても、立地環境や地域の保育需要等を勘案した上で、引続き、利用可能な塩減を最大限に活用して、保育所の整備に努めてまいる。