日本共産党
前神奈川県議会議員

石田 和子

いしだ かずこ
くらしと平和 希望ある未来へ
石田 和子
ブログ

一般質問その3=ケアに手厚い社会を目指して<介護><保育>

2021年9月19日

9月17日に行った一般質問の続報です。

「ケアに手厚い社会を目指して」のテーマで
①介護現場の人材確保について
行き届いた保育実現のため、保育士の配置基準の改善について

特別支援学校における医療的ケア児の対応について

医療的ケアを担う看護師の配置について  を取り上げました

音源テープを書き起こしたものから要約しましたので、会議録ではありません。

【石田質問】

① 介護現場の人材確保について伺います

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本年7月に第8期介護保険事業計画に基づく介護職員の必要数が厚生労働省から発表された。神奈川県は、介護職員の必要数に対して2023年度は10,163人が不足すると推計されている。しかし、どのように確保するのか具体的な打開策が示されていない。介護職は人命を預かる精神的負担が大きい上に勤務時間が不規則で力仕事も多く、そうした重責や、重労働に見合う賃金水準に達していないことが人材不足の原因と考える。

2020年3月に読売新聞が行なったアンケートでは主要自治体の首長の約9割が、今後10年、現行のまま制度を維持するのは難しい。最大の問題は人手不足」と答えている。新型コロナの感染が長引けば、介護事業者の経営や労働環境がさらに厳しくなる。超高齢社会を迎え、必要な人材を確保するには、待遇の抜本的改善が必要。

公益財団法人)介護労働安定センター神奈川支所が、行なった2020年度介護労働実態調査結果によると、介護事業所の65%が従事者の不足感をあげ、中でも訪問介護員の不足感は88%、介護職員は68%となっている。不足している理由として採用が困難であると83%が答え、その原因は、「他産業に比べて労働条件などがよくない」と56%が回答している。

介護サービスを運営する上での問題点について、上位は、「良質な人材の確保が難しい」が52%、「今の介護報酬では人材確保.定着のために十分な賃金を払えない」が43%、「経営が苦しく労働条件や労働環境の改善をしたくてもできない」が28%となっている。 処遇改善のためには介護報酬の引き上げが必要になる。

しかし介護報酬をひきあげれば介護保険料や利用料の自己負担が増える。自己負担増による処遇改善ではなく、介護報酬とは別に公費投入の仕組みがどうしても必要と考える

〈質問〉→(知事答弁)

〈そこで知事に伺います。〉

・県における介護職員の不足の要因についてどのように考えているか、また、2023年度の不足の推計数10,163人をどのように確保するのか今後の打開策を伺う。

・介護報酬の引き上げによる負担増を介護保険料と利用者にしわ寄せさせる手法をやめ、利用料の増加分は公費で補填することが必要と考えますが伺う。

→(知事答弁)

まず介護現場の人材確保についてです公益財団法人による調査では介護の仕事を辞めた理由の上位に人間関係や 出産育児が挙がるなど 不足の要因は処遇以外にも様々あると考えている。 これまで 県は 就職相談会や職員向け研修 経営者セミナーの開催など 人材確保や育成に取り組んできた。さらに今年度から外国人を職員として受け入れ日本語学習などを行う介護施設への補助を始めた。 また他業種から 新たに 介護分野で働く際の 経費を貸付 一定条件で返済を免除する事業も行う。今後もこのような取り組みを着実に進めることで 介護人材の確保を行う。 次に介護報酬引き上げによる 利用料の 増加分の公費補填についてです。所属状況にかかわらず必要な介護サービスが 利用できることは重要であり低所得者の方を対象とした利用者の負担軽減制度の充実については引き続き国に要望してまいる。

石田意見要望

介護現場の人材不足の要因について、個人的な理由で辞める方が多いこともあるということも述べられました。しかし、毎年度の介護労働実態調査では、労働環境や処遇が要因であることは明らかです。従来規模の対策とともに、さらに、国と一体で、介護保険料や利用料に跳ね返らない公的な財政投入する仕組みをつくる取り組みを是非、強く要望いたします。

②次に行き届いた保育実現のため、保育士の配置基準の改善について伺います

新型コロナウイルス感染急拡大で、マスクなしの子どもと長時間接する保育士に、感染しない、感染させない不安や業務負担が重くのしかかっている。保育士は子どもを抱っこしたり食事を与えたりと接触が必要不可欠です。コロナ禍でおもちゃもひとつずつ消毒し、ドアノブや、テーブルなどの消毒も回数を増やして念入りにしている。毎日の登降園の際に保護者が行なっていた支度も保育士が行っている。

ワクチンの副反応や自分や家族が濃厚接触者になって出勤できないなど人手不足にも拍車がかかる状態であり、保育士の配置基準を維持するのが大変という実態がある。

厚生労働省は、8月、保育園での感染防止対策を強化する方針を決め、年内にも指針を策定するとしました。しかし、感染対策は必要ですが、これ以上業務が増えたら現場はやっていけない。離職者が増えるとの懸念の声があります。

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最低基準は73年も改定されていない

児童福祉法の規定に基づき定められた最低基準では、保育士の配置基準について0歳児は3人に1人、1〜2歳児6人に一人、3歳児20人に一人、4〜5歳児30人に一人です。

厚生労働省令で、この基準はまさに最低の基準であり、最低基準を常に向上させるように努めなけらばならないと規定されているにもかかわらず、4歳児以上の配置基準は児童福祉法制定以来、73年も改定されずOECD諸国の中でも最下位のレベル。

また、0歳児から3歳児についても国の基準では手厚いケアは到底できないとの意見が保育現場から長年出ている。私は29年間保育士をしてきましたが、最低基準の改善は保育士の長年の強い願いである。

小学校で実施が決まった1クラス35人にする少人数学級化を中学校でも検討することが閣議決定される中で、人格の基礎を育む大切な乳幼児期なのに、保育所の職員配置は条件改善の流れに取り残されている。

〈質問〉→(知事答弁)

〈そこで知事に伺います。〉

保育士の最低基準の改善とそのための財政措置を国に求めるとともに、それが実現するまでの間、県としても、保育士の加配措置が必要と思いますが伺う。

→(知事答弁)次に行き届いた保育実現のため保育士の配置基準の改善について

です。保育所における保育士の配置基準は全国一律の国の基準に従って県が条例で定めている。国はこの配置基準に応じて必要経費を給付していますが 保育の質の向上のため現在3歳児保育についてのみ基準を上回る職員配置に対し経費を上乗せしているさらに国は1歳児や 4,5歳児についても配置基準の改善に見合う人件費を手当するとしていますが財源不足を理由に実施されていないこのため県ではこれまでも国に対し 早急に財源を確保するよう要望してきましたが 今後とも強く働きかけていく。なお県では待機児童対策や虐待対応など特定の目的のために加配措置をしていますが基本となる配置基準の改善については国が全国一律で取り組むべきものですので県独自の加配措置は考えていない

石田意見要望

保育士の配置基準ですが、学校の学級編制が40年ぶりに改定になり、私たちも喜んでいますが、「常に向上させなければならないと」と定められている保育士の最低基準が73年もそのままというのは、納得ができないこと。行き届いた保育の実現のために、財政措置と一体で最低基準の改定を国に求めていただき、その間の県の加配措置も要望します。

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