日本共産党
前神奈川県議会議員

石田 和子

いしだ かずこ
くらしと平和 希望ある未来へ
石田 和子
ブログ

気候危機にどうたちむかうか「環境農政委員会その1」

2021年10月8日

IMG_1707[1228] 

第3回定例会の環境農政常任委員会は9月29日と10月1日開催され、報告事項、所管事業の質疑が行われました。今回報告された中から、私は①県の地球温暖化対策計画の改定素案について、②県のごみ処理広域化・集約化計画について、③かながわ水産業活性化指針について、④大船フラワーセンターについて、10月1日に質問しました。主眼はまさに今、大問題になっている気候危機に対する対策についてです。今回は、概ね40分間の持ち時間があり、時間がそれなりにあると考え準備して臨みましたが、時間がどんどんなくなり、途中でいくつか用意した質問を取り下げながら、なんとか時間ギリギリで終わりました。質問、答弁は要旨で、会議録ではありません。なお中継の録画が県議会ホームページにアップされていますのでご覧ください。

●地球温暖化対策計画改定素案について

5月に改正された「地球温暖化対策の推進に関する法律」にもとづき、県の「地球温暖化対策計画」に再生エネルギーの利用促進など4つの施策の目標の設定が義務付けられ、考え方などが示されましたので、質問しました。

【質問1】

昨今、世界各地で異常な豪雨や猛暑、熱波や森林火災、干ばつ、海面上昇が起こるなど気候危機と呼ぶべき非常事態が起きています。

国連IPCC報告書は「2030年までに大気中の温室効果ガス(大半はCO2)の排出を、2010年度と比べて45%削減、2050年までに実質ゼロを達成できないと世界の平均気温の上昇を産業革命前と比べて1,5度までに抑え込むことができないと明らかにしました。 

政府も今年の4月、2030年度に2013年度比で46%削減すると表明した。対策が急がれる中で、県は、今年度の計画の見直しは最小限とし、現行計画の補強にとどめ、全面的な見直しは令和5年度以降としたとあります。このスケジュールですと、実際の計画策定は6年度・2024年度とならざるを得ない。2030年度までに数年しかなくなる訳で、このテンポで現行の27%削減から46%削減をどうやるのか。1年1年の取り組みが求められていると考える。4年度中の取り組みと、今後のスケジュールを伺う。今年度の見直しを現行計画の補強にとどめたとしても、全面見直しは令和4年度には行うべきと考えるが伺う。

【回答】

○計画の改定については、今年5月に「地球温暖化対策の推進に関する法律」が改正され、地方公共団体の地球温暖化対策計画に、地方公共団体としての目標を設定することが義務付けられた。

○この目標の設定の考え方について、国は、今後、ガイドラインを作成するとのことで、今後、ガイドラインに沿って、令和5年度以降にそれらを反映させた計画改定作業に入ることを予定しています。

計画の全面改定に関わらず、省エネルギー対策や再生可能エネルギーの利用など、着手可能な取組については着実に行い、温室効果ガス削減目標の達成に向けて、しっかり進めてまいる。

【質問2】産業部門で排出量の多いのはどの部門か

県内のCO2排出状況は、2018年度の速報値で見ると、2013年度比で12,5%減となっている。

県内の部門別CO2排出量(P11)をみると一番多いのが産業部門で35,%、次が業務部門が18%である。県内の産業部門からのCO2排出量の約95%を占めるのが製造業ですが、他に排出量が多いのはどの部門か、また、事業所は大体、何箇所か伺う。

【回答】

○産業部門の中で、温室効果ガス排出量が多い業種は、鉄鋼・非鉄・金属製

品業が988万t、約42%、化学工業が761万t、約32%、機械製造業が249万t-、約10%となっています。

また、事業所数については、令和2年度の「神奈川県工業統計調査」によれば、従業員4人以上の事業所が、約7,300事業所あり、鉄鋼・非鉄・金属製品業が約1,400事業所、化学工業が約250事業所、 機械製造業が約3,200事業所となっている。

【質問3】産業部門の脱炭素化の対策について

こうした産業部門での脱炭素化は、県全体のCO2削減を進める上で重要と考えるが対策について伺う

【回答】

○産業部門など、事業活動における温室効果ガス削減に向けた対策としては、

「事業活動温暖化対策計画書制度」を運用している。

これは、「神奈川県地球温暖化対策推進条例」に基づき、一定規模以上の大規模事業者に対し、温室効果ガスの削減目標や対策等を記載した、計画書の提出を義務付け、それを公表することにより、事業者の自主的かつ計画的な削減対策を促す仕組みである。

○さらに、大規模事業者以外の中小規模事業者は、任意に、計画書を作成し、県に提出することができる。また、中小規模事業者に対して、無料の省エネルギー診断を実施。

○その他、企業が使用する電力について、太陽光発電設備等の設置により賄う方法もあるが、これが難しい場合は、電力を購入することになる。その電力を再生可能エネエネルギー由来の電力に切り替えることも、温室効果ガス排出量の削減を進めることも重要。

○県では、県内企業等が、自社に適した再エネ電力プランを選択できるよう、再エネプランを県ホームページで周知したり、せり下げ方式の入札である「リバースオークション」を活用して、再エネ電力をより安く、簡単に調達できるような仕組みを作り、より多くの県内企業等において、再エネ電力が利用されるよう取り組んでいる。

【質問4】ハイプラスチックの資源化と発生抑制に転換を

県内のCO2排出状況について、廃棄物部門は2013年度比で11,2%増加、その原因はプラスチックの比率が増加したことによる。CO2排出に拍車をかけるプラスチックゴミをそのまま燃やすことから、資源化に方向転換をすることがCO2排出を減らすことに直結すると考えるが見解と対策を伺う。

【回答】 

○神奈川県地球温暖化対策計画に掲げた温室効果ガス排出量の削減目標の達成に向けては、廃棄物部門においても、プラスチック等の焼却を抑制するための3Rを一層推進することが重要と考えている。

【質問5】いかにプラごみの発生抑制に力を注ぐのかが問われる

プラスチック資源循環促進法が来年4月に施行される。全てをリサイクルしなさいとなっている。一方、プラスチックの大量生産と焼却処理に伴い発生するCo2は地球温暖化を加速させる要因でもあり、海洋ゴミの大量発生など危機的な環境破壊を招く原因にもなっている。プラスチックゴミの対応について、基本的には、リュース(再利用)、リサイクル(再生利用)とともに、いかにプラゴミの発生抑制(リデユース)に力を注ぐかが問われると考えますが伺う。

【回答】

○本県では、プラスチック資源循環促進法に先立ち、「かながわプラごみゼロ宣言」を発表し、「ワンウェイプラの削減」、「プラごみの再生利用の推進」、「クリーン活動の拡大等」を柱に取組を進めていくこととしている。

○また、今後、県としてプラごみ削減に継続的に取り組んでいくため、「神奈川県不適正処理の防止等に関する条例」を見直し、プラごみの削減に関する条項を盛りこむことも検討しており、引き続き、リサイクルされないプラごみゼロに向けた取組を進めていきます。

【石田】

発生抑制にどれだけ力を注ぐのかが問われる。しっかり計画に盛り込むことを要望する。

【質問6】再エネ推進のためには、石炭火力発電を止めるべき

エネルギー転換部門は6,2%増加、その原因は県内の発電量が増加したことが主な要因とのことでした。(報告では)「燃料別エネルギー消費量の内訳は石油、石炭、都市ガスといった化石燃料が全体の81%を占めていることから今後は再生可能エネルギーの利用や省エネ化の取り組みを推進することにより、化石燃料の使用量を減らす」としている。

国連は石炭火力発電の2030年度までの段階的な廃止を求めているが、特に横須賀の2基の新設について、県として電力部門のCO2排出ゼロに向けての取り組みとの関連でどう考えているのか伺う。

また、2030年までに、再生可能エネルギーで電力の何パーセントを賄うのか、目標を示すべきと考えるが伺う。

【回答】

○横須賀に建設中の石炭火力発電所については、事業主体である(株)JERAが発表している「JERA環境コミット2030」において、アンモニア混焼の実証などを進め、脱炭素化に向けた取組を進めるとしているので、その進捗を注視していきたいと考えている。

○また、2030年までの再生可能エネルギーの導入目標については、国の新たなエネルギー基本計画の素案においては、2030年の電源構成のうち、太陽光などの再生可能エネルギーの割合を36~38%にするとしている。

○さらに、本年5月の「地球温暖化対策の推進に関する法律」の改正により、地方公共団体の地球温暖化対策計画に、再生可能エネルギーの利用促進など4つの施策目標を設定することが義務付けられ、本県としても、今後、国から示されるガイドラインを踏まえて設定する必要がある。

県の再エネ導入に係る施策目標についてはスマートエネルギー計画や国のエネルギー基本計画等との整合を図りながら、令和5年度以降に実施する予定の計画の全面改定の際に、検討してまいる。

【石田】アンモニアを混焼させるということですが、アンモニアを作るのもエネルギー、電気が必要。海外で作って日本に持ってくるという話も聞いた。アンモニアを混ぜても火力発電で化石燃料が多く消費されることに変わりはない。CO2の排出量を削減するには、石炭火力をやめるべき方向性を国や企業に求めるよう要望する。

【質問7】中期目標の達成に、自治体が役割を発揮することについて

中期目標の達成に向けての自治体の取り組みの推進について、

2050年CO2排出ゼロに向けて、地域に還元され、貢献する再生可能エネルギーの活用を進めるために、自治体が役割を発揮することが求められていると考えます。公共施設、公共事業、自治体業務でどれだけCO2を削減できるかなど、県自らの脱炭素化に向けた目標と計画が必要と思います。全県有施設における再生可能エネルギー利用に向けた取り組みをどのように進めるか伺う。

【回答】

○県は、「2050年脱炭素社会の実現」に向け、全県有施設における再エネ100%電力の利用を目指して取組を進めており、令和3年4月から、平塚市にある環境科学センターにおいて、再エネ100%電力の利用を開始した。

来年度に向けては、更に多くの県有施設において、再エネ100%電力の利用に切り替えるため、現在、関係所属との調整等の準備を進めている。

○今後、再エネ電力の入札結果や、供給量等を精査した上で、順次拡大していきたいと考えている。

【質問8】大規模事業所の取り組みと独自の協定の締結について

産業分野において、CO2排出量の大きい業界の大規模事業所に、CO2削減目標と計画、実施状況の公表などが必要と考えますが伺う地元企業との独自の協定の締結について現状と今後の取り組みついて伺う

【回答】

○ 県は、今年3月、県内企業等における再生可能エネルギー由来の電力の利用促進を目的として、株式会社エナ―バンクと連携協定を締結し、 県内企業等が、エナーバンクが運営するリバースオークションを利用して、再エネ電力を、簡単に、安く調達できる「かながわ再エネオークション」を始めた。

○さらに、この9月からは、オークションに参加する複数の企業等を募り、電気の使用傾向によってグループ分けしてリバースオークションを行う「かながわ再エネ共同オークション」を始めている。

○これは、複数の企業等の参加によるスケールメリットと、グループ分けによる発電コストの削減により、再エネ電力をより安く調達できる取組になる。

今後も、この連携協定を活用して、県内企業等が再エネ電力を利用しやすい仕組みづくりに取り組んでいく。

【質問9】新車販売を2030年までに電気自動車に変えることについて

運輸部門からのCO2の排出量は減少傾向にあります。電気自動車、燃料電池自動車を含む次世代自動車の「県内乗用車に占める割合は2018年度は20,5%であり、その一層の普及が必要」とあります。多くの自動車は十数年で買い替えられます。今から年限を決めて切り替えを進めれば2050年までに自動車からのCO2排出をゼロにできると思います。新車販売を2030年までにガソリン車から電気自動車などに切り替える目標を立てることについて伺う。

【回答】

○現在、国では、2035年までに、乗用車新車販売で電動車100%を実現することを目標としている。

今後、実際に電気自動車等が普及していくためには、そのラインナップの充実や、EVでは充電設備、FCVでは水素ステーションの整備が課題。

○また、自動車メーカーへのヒアリングの結果においても、多くのメーカーが電動車を拡大する方向ではあるが、展開する時期については未定とのことであり、現段階では、県による具体の目標設定は難しいのが現状である。

【石田東京都は2030年と言っている。県も2030年を目標に検討を求めます。

【質問10】脱炭素化、省エネルギー、再生可能エネルギーの推進は、新しい雇用を創出し、地域経済を活性化し、新たな技術の開発など持続可能な成長の大きな可能性を持つと考えるが見解を伺う。

【回答】

省エネルギー、再生可能エネルギー等による地球温暖化への対応は、経済成長の制約ではなく、産業構造や経済社会の変革をもたらし、成長につながり、生活を豊かにするという発想の転換が浸透しつつある。

○また、国は「地域脱炭素ロードマップ」において、「地域脱炭素は、脱炭

素を成長の機会と捉える時代の地域の成長戦略」と位置付けており、本県も、この考えも踏まえながら取組を進めたいと考えている。

○今後についても、再エネ100%電力への切替の取組などに率先して取り組むとともに、企業や県民の皆様に対しても、省エネ、再エネの取組を進め、地域の脱炭素化を推進していきたいと考えています。

【意見要望】

この10年が、気候危機を防ぐ上で決定的に重要な意味を持つと考えます。2030年までのCO2削減に地球の未来と人類の未来がかかっていると言っても過言ではないと思います。

私たち自らの行動変容も必要ですし、県の温暖化対策の全面見直しを可能な限り早急に行い、諸外国や先進自治体を参考に、高い目標を据えるとともに、年次計画をしっかり立てて取り組むことを強く要望する。

PAGE TOP