〈衛生費〉総括質疑で新型コロナウイルス対策を質問しました(決算特別委員会11/17)
17日、総括質疑でコロナ対策を質問しました。現在、新規感染者が非常に減っていますが、今後の感染再拡大が懸念され予断を許しません。再び第5派のような事態を起こさない対策が求められます。特に無症状の濃厚接触者への検査の徹底と陽性者が出たすべての施設で集中検査を実施することについて取り上げました。質問は時間が短いので言い切れなかったことも含めて要旨です。なお17日についても県議会に動画がアップされています。
「濃厚接触者と言われたのに無症状だからと検査をやってもらえない」の訴え
濃厚接触者と言われたのに「無症状の場合は14日間自宅待機していてください。発熱などがありましたら検査をしますので連絡ください」と言われた。「早く検査をしてほしい」との訴えがこの間、複数の自治体の住民からありました。濃厚接触者は最も感染リスクが高いのですから迅速に検査をすべきです。
当初、検査は濃厚接触者とわかり次第行なっていたのですが、特にこの間、無症状なら2週間自宅待機していれば大丈夫と言うように、検査の考え方が変わってきたのを感じていました。
ワクチン接種も進みましたが、ブレークスルー感染も多くなり、免疫力が7〜8ヶ月で落ちると言われ3回目接種も計画され始めています。また、色々な事情でワクチンを接種できない、しないかたもおります。ワクチンだのみだけではコロナを封じ込めることはできません。
抗体カクテル療法や、治療薬は感染初期の軽症の時でないと効果がないと言われている事からも、検査の時期を逸したら治療できなくなます。このことからも早く検査を行うことが必要と思います。検査の決算額を質問しながらこの考え方について明らかにしようと思い取り上げました。
行政検査は全額国庫で負担を!
危機管理対策本部長は、2020年度の新規陽性者数は4万7986人で、PCR検査の実施数は70万9313人。PCR検査に係る感染症検査事業費の決算額は、7億4274万余円で、予算現額に対する執行率は97.9%、不用額は1570万余円です。
決算額の主な内容は、医療機関で医師の判断で行うPCR検査の公費負担分(患者自己負担公費負担)と、陽性者が発生した施設で実施する集中検査に係る費用です。医師の判断で発熱などの症状がある人や濃厚接触者の検査は、行政検査とし「患者自己負担公費負担」として無料です。
これら検査の財源は国の「感染症予防事業費等国庫負担金」これは国庫2分の1の負担と答えました。
〈国庫が半分ということで、自治体の負担が大きくなるというのが、検査を抑える理由の一つでもあります。共産党は国が検査に責任持つよう全額国庫負担することを求めています。しかし、検査をもっと徹底している自治体があるのですから、県も無症状者に検査をすべきです〉
陽性者が出たすべての施設で集中検査の実施を!
高齢者や学校、保育園などの施設内で、感染者が発生した際に、濃厚接触者だけでなく、同じフロアのスタッフや利用者などにPCR検査の範囲を拡大して、昨年8月から行った2020年度の集中検査は、業務委託で実施し、決算額は1億8149余万円。2020年度の集中検査実施施設数は150施設、検査数は1万1983人で、このうち、陽性となったのは271人でした。集中検査をしなかったらこの271人から感染が拡大しただろうことを考えると効果は大きいものがあります。私たちは県が集中検査を実施してきたことを評価してきました。
しかし、9月の一般質問でも紹介しましたが、時折、陽性者が発生した保育園や学校などの中には集中検査は行われていない、不安だという声もあります。陽性者が発生したすべての施設で行われたとは思えず、どのような判断で行ったのかを質問しました。
危機管理対策本部長から、この集中検査は、保健所の判断のもと入所者及び従事者に幅広く検査を実施することとしており、事業所においてもクラスター発生の恐れがある場合は、集中検査を行っています。しかし、必ずしも事業者の全員或いは施設の全員に検査していることではありません。個別のケースでの判断となると答えました。
〈徹底して行わればもっと防げたはずです。私からは、陽性者が発生したすべての施設で速やかに集中検査を実施することを重ねて要望しました。〉
濃厚接触者については「速やかに感染者を発見する観点からすべて検査対象にする」の厚労省通知
厚労省の「新型コロナウイルス感染症対策推進本部」が令和2年5月29日に都道府県、政令市、中核市の衛生主幹部局宛に事務連絡を発出。「濃厚接触者については速やかに陽性者を発見する観点から、すべて検査対象とすること。なお、陰性だった場合にも、14日間は健康観察が必要であること」というものです。この事務連絡に基づき、無症状であっても濃厚接触者はすべて検査すべきだったのではないかと質問しました。
危機対策本部長の答弁要旨は、濃厚接触者の検査については、そもそも濃厚接触者を特定する積極的疫学調査等が必要となるが、昨年度第3波の時には、保健所業務が逼迫したということで、この調査が限定的になったという状況がある。
まずは保健所業務の負担を軽減するという必要があるので、負担が大きいのは陽性者が出て発生届が出た後に、その方の症状等を聞き取るヒアリングの時間になる。
これを軽減するために、患者自身入力したWebフォームを導入することにより、保健師業務の負担を軽減することで、積極的疫学調査に回す時間を増やすということで、この調査を実施、可能な限りできるようにするというような体制をとってきたと答えました。
〈この答弁は、すべての濃厚接触者の検査をしなかったのは、第3波の保険所が逼迫したから濃厚接触者の特定が限定的になったというものでした。今後の考え方、対策を聞いたわけではなかったので、こういう答弁になったかと思いますが、今年度になってからも住民から検査をしてもらえないとの声はありましたから、これは理由にならないと思います。〉
〈そもそも医療危機対策本部長は、今後、濃厚接触者すべてを検査対象にするとは答弁しなかったですが、保健師の業務負担を軽減する対策をとり、積極的疫学調査を実施、可能な限りできるようにするという体制を取ってきたとの答弁しましたから、今後、この通知の「濃厚接触者のすべてを対象に検査する」を徹底するよう求めていきたいと思いますし、要になる保健所体制の強化こそ必要であることを引き続き求めました。
(なお、今回、質問はしなかったですが、10月の一般質問で、保健師の増員を求めた際に、知事が来年度20人の募集をしており、10月に一部前倒しで採用したいと答弁しましたので、担当課長に確認したところ、8人採用したとのことです)
コールセンターの対応について市民からの訴え
ある方から、発熱したが、熱は1日で下がり、無症状になったが、人と接触する仕事なので念のため、土日に民間の検査機関で検査したら陽性だった。市の紹介する医療機関で検査を受けたいとコールセンターに連絡したが自分で探せといわれたという事例がありました。
コールセンターが自分で探せという対応でいいのか。
保健所への、感染者の発生届けは県が指定した「発熱診療等医療機関」から行う事になっているのか質問しました。
これに対しての答弁要旨は、コールセンターの、「自分で探せ」という対応が、事実でしたら極めて不親切な対応だと思いますけども、具体的なやりとりが不明なため、この件についてはコメントできかねる。
発生届ですが、県が設置しているコールセンターでは、検査が可能な医療機関を紹介しておりまして、その紹介先で陽性が確認された場合は、当該医療機関から、感染者の発生届が保健所に対して提出されるということになります。
石田の意見要望コールセンターですぐに紹介してもらえなかったのは、無症状だったからと思います。「無症状感染者のことをどう考えているのか」と詰め寄ってやっと紹介してもらった。その医療機関で受けた検査は陽性だったと。そこで初めて保健所に発生届が出されたのですが、発熱後、1週間後だった。ご家族含めて自宅待機していたので、感染拡大はしなかったとのことですが、その間、なぜ紹介してくれないのかと、本当に不安だったと言っていました。あらためて全県下に徹底していただくことを要望します
この質問の冒頭で、新型コロナウイルス専用コールセンター運営依託費として決算額は8億2560余万円です。体制と利用状況を聞きました。
県は4箇所の相談窓口を設置、20年度の件数は
1、 一般県民向けに、新型コロナウイルス感染症の専用ダイヤルー83,542件
2、 帰国者接触者相談センターー45,269件
3、 自宅宿泊者向けに神奈川県療養サポート窓口―22,933件
4、 神奈川県コロナ119番―12,820件 と答えがありました。
現在、新規感染者が大変減っていますが、感染の再拡大も心配されています。この間の知見や経験を学び第5波のような医療崩壊を起こさないための対策をしっかりとっていくことが必要です。