日本共産党
前神奈川県議会議員

石田 和子

いしだ かずこ
くらしと平和 希望ある未来へ
石田 和子
ブログ

神奈川県の「自主療養」、「保育所の濃厚接触者を特定しない」方針でいいのか。

2022年2月23日

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現在、コロナウイルス感染症の新規感染者数は少しずつ減少しているものの、全国的に高齢者の感染が増えています。22日、全国の重症者と亡くなった方は過去最多と報道されました。また、全国の救急搬送困難事案も今月20日までの1週間で6064件にのぼり、6週連続で過去最多となったと総務省消防庁のまとめが報道されました。

神奈川県においては、2月22日、新規感染者数6263人。新規自主療養者数 287人。重症者数は22日の時点で100人。約1ヶ月前の1月19日・6人、2週間前は83人でしたから県においても増えていることがわかります。

亡くなった方はこれまで1564人、2週間前より187人増えています。また重症ベッドの使用率は37%、中等症のベッド使用率は75,25%でかなり高くなっています。ベッドの使用率の限界は80%を超えると危険水域と言われていますからかなり逼迫していると言えます。小児、妊産婦、容態が急変した患者受け入れに備える必要があるからです。救急ストップも多くなっているとのことです。

コロナ病床を増やすには、現状では一般病床を転用することで増やすのですから一般の患者さんに影響が出ます。根本的に病床を拡大する政策がどうしても必要です。しかし、政府はいまだに病床削減の計画を止めていません。公立・公的病院の統合、見直しの検討も撤回していません。

国民の命を守る医療提供体制の拡大が急ぎ求められます。

保健所逼迫、県は検査を減らす緩和策を打ち出す

県は、オミクロン株の感染爆発で、保健所が濃厚接触者を特定することが困難になっているとして、また、救える命を救うため、保険医療資源を重症化リスクの高い方に集約していくという理由で、検査を減らす方向で次々と緩和策を打ち出しています。

●50歳未満で重症化のリスクが低い人が自主検査で陽性の場合は、(保険所や初熱外来など医療機関の)検査なしで、さらに、医師の診断がなくても「自主療養」とすることが可能。→。この仕組みは感染症法における感染者にはなりません。したがって濃厚接触者はいません。知事が全国先駆けて行なったと、選んでいただけると発表したことに、多くの方々から、感染症法に逆行する。それはおかしい!の声が沢山届きます。

●感染者の家族が初熱した場合などは、検査なしで医師が陽性と判断する「みなし陽性」とする。

自主療養やみなし陽性では、保健所の健康観察や医療へのアクセス、食料や日常品などの確保など生活支援に大きな不安があります。

●さらに県は現在、「一旦、検査数、陽性率の公表を停止しています。

感染の総体が把握できず感染対策を誤ることになりかねないと危惧します。

代表質問で取り上げました。

わたしたち県議団は、2月17日の井坂団長が行った代表質問で、今回の自主療養は、厚労省が認めたとはいえ、感染症法を逸脱した対応のため、感染症法で定められた発生届けもなく、感染者数として集計されないこと、民間の保険請求には使えないこと、民間の会社では休暇の扱いが会社の判断となるなど、自主療養者に不利益が生じることにもなるとして改めるべきと知事に求めました。

知事は、逼迫状況をあげ、救える命を救うため、専門家からの意見をいただいて導入した。濃厚接触者がいないので、接触された可能性のある方は感染拡大防止対策をお願いしたい。自主療養届けが民間の保険請求に利用できることを可能にするよう国に働きかけたい。現在、約7千人の方々に選択していただいており、引き続き周知に努めるとの答弁で、改めることは全く考えていない答弁でした。

●県は、19日の感染症対策協議会を開き、保健所が毎日電話などで健康観察をする自宅療養者の全員の健康観察をやめ、年齢や症状などにより「重点観察対象者」を決め支援対象を限定していますがさらに要件を厳しくしました。

保健所の健康観察の年齢を「5歳以下、50歳以上」を「1歳以下か65歳以上」としました。重症化リスクのある人も「40〜64歳」に絞るとしました。

重症化リスクのある疾患として、慢性閉塞性肺疾患、糖尿病、慢性腎臓病、妊婦、高血圧症の方など「重点観察対象者」を対象に健康観察、容体悪化の対応をすると言っていますが、軽症だった方が肺炎を患っていたなど見落とされるケースがあると報道されています。対象を絞り込まず陽性者の健康観察ができる体制の強化が必要です

県は「保育所での濃厚接触者の特定は行わない判断も可能とする」の通知を発出。

感染者が急増し、休園する保育園が過去最多になっています。医療従事者の欠勤者が急増し、医療体制が逼迫しているとして、県は、18日、保育所などで感染者が確認されても休園せず、開所を続けるよう市町村に通知を出しました。

保健所が逼迫し、保健所による濃厚接触者の特定に時間がかかり、休園期間が延びることがあるとして、保育所での濃厚接触者の特定は行わない判断も可能とするとしました。これでは保育所での園児や保育スタッフなどへの感染がより拡大するのではと危惧します。

臨時休園で保護者の皆さんが大変なのは充分わかります。感染を抑えるためには、感染者が一人でも出たら集中検査を速やかに実施すること、保育スタッフのPCR検査を、週に2回ほどの定期的検査を行うこと、エッセンシャルワーカーのワクチンの前倒し接種を速やかに行うことなどの感染の基本対策を行うべきです。

今後、保健所が行う濃厚接触者の特定は、医療機関や高齢者施設などにおけるクラスターが起こった時に重点化するとしました。

県は全庁体制として、他の部署から多くの職員が保健所に応援に入り、新年度保健師も増やしてはいるものの、追いつかなくなっています。保健所機能が失われ、公衆衛生上の役割を果たせないのであれば、保健師をさらに大幅増員し保健所体制の強化が必要です。

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