修正・コロナの全数届けの簡略化の課題、公立・公的医療機関のコロナ対応に果たす役割についての質問
9月29日の厚生常任委員会で、コロナ対策について質問した内容について、10月1日付けで一度ブログで報告しましたが、録画がアップされたので確認しましたら、修正が必要な箇所が多数ありましたので、修正させていただき、1日付の報告は削除します。質疑しながらの自分のメモから書きましたので、不正確な部分がありました。また、注釈も加筆しながら概要を報告します。 <
●全数届けの見直しの課題についての質問です
「全数届けの見直しについて、首相は『全数把握が医療現場や保健所の負担になっているから』という理由を述べていますが、医学的な見地からの説明はありません。経済など他の要因からかじを切ったようにも見え、不安を感じます。
『コロナは今では普通の風邪』といった意見もありますが、後遺症のことはまだよくわかっておらず、慎重な対応が求められます。また今後、『第8波』の可能性と季節型インフルエンザと同時流行についての予測もあり、予断を許しません。
① 全数届けの見直しについて、全数届出を簡略化することについて、医学的な
見地からの説明を求めました。
→様々な専門家による検討が行われており、医学的に極端に重症化することはないのか、亡くなる方が増えるおそれはないのかと検討されている。そうした中で、発生届けを出す方を絞る、そしてそれ以外の方は、発生届けは出さないけれど、県で言えば、陽性者登録センターに登録いただくことによってしっかりフォローアップ体制をとれば、医学的見地から問題があるといった指摘はされていない。
② 届出の対象者は、ア)65歳以上の高齢者、イ)入院が必要、 ウ)重症化
リスクがあり、治療薬や酸素投与が必要、 エ)妊婦などだが、発生届けの対象外となる陽性者が、療養期間中に適切な支援を受けるには、陽性者としての登録が必要となるが、登録は、「陽性者登録窓口」に陽性者自身が申請をしなければならないがオンラインの申請が難しい方への対策はどのようにするのか伺う。
→陽性者登録窓口は基本的にはwebサイトからお願いする。県のホームページから登録する。自主療養の時からお願いしている。オンラインでの申請が難しい人への対応については、一般県民向けの問い合わせ窓口である感染症専用ダイヤルに電話していただき、その旨お話いただくと専用の電話をお伝えし、電話とファックスで登録できる体制をとっている。医療機関で陽性者登録窓口の電話番号に関する問い合わせ(感染症専用ダイヤル0570−056−774、24時間対応)を書いたチラシをお渡ししている。
③ 届出の対象外となった人には県が確認する健康観察を実施しなくなるが自
身で体調の変化に気を配る必要がある。症状が悪化した時にスムーズに入院調整が測れるようにするためにも、速やかな登録が必要ですが見解と対応を伺う
→いざという時にすぐ相談していただけるためにも手元に連絡先を持っておいていただきたい。そのためには、陽性になった時にすぐ登録窓口に登録いただきたい。診断されたら無症状でもできるだけ登録してくださいねと言ったところを丁寧に呼びかけていく。「陽性者登録窓口」に登録となるが、症状の悪化の際には「コロナ119」に電話してもらうことにしており、チラシにも案内している。
④ 「陽性者登録窓口」などへの電話がかなり増加すると思うが、増加の見込みと対応をどうするのか、回線は増やすべきと考えるが対応を伺う。
→、陽性者登録窓口、一般の感染症ダイヤルの相談、いざという時のコロナ119への相談が増えるのではとの質問と思うが、第7波のピーク時にも対応できる回線数にしているので回線を維持して行く。今後感染が拡大した時に備え、すぐ拡大できるよう準備をしていきたい。と答弁。
注釈
9月の追加の補正予算で、「全数届出の見直しに伴い、発生届けが提出されない療養者からの相談の増加に適切に対応するため、コールセンタ―の体制を強化する」予算として17億4,818万計上されています。
この内容について、担当課長から聞き取ったところ、
*体調の悪化の緊急相談時の「コロナ119」は第6波では50回線から第7波で95回線に増やした。受電率は99%である。
*療養中の健康相談・薬の処方などに関する相談は「療養サポート」=045−285−598は150回線。
*陽性者登録窓口に関する問い合わせは感染症専用ダイヤルは80回線です
合計325回線を376回線まで、あと50回線を増やせる予算を計上しているとのことです。
⑤ 自主療養制度は廃止になったが、陽性者登録窓口に登録すると受けられるサービスが増えたとのことだが、何が増えたのか伺う。
→
1、 セルフテストで医療機関に行かずに登録した方も患者として扱うことになったので、調子が悪くなって医療機関に行くときはその後のコロナ治療は公費負担になる。
2、 宿泊療養施設を希望する場合、基準に合えば利用可能になった
3、 生活困難の場合、配食サービスを使いたいという方は、これまで自主療養の方は使えなかったがこれからは使える。
4、 体調悪化の際の相談、コロナ119を利用可能になった。
⑥ 抗原検査キットを備蓄するようオンライン購入が可能になったと言ってい
るが、入手困難な方はどうするのかについて、不安のある方への無料の検査が8月までだったが、当分の間延長したので利用してほしい。と先行会派に答えたが、延長のめどはどのように考えるか伺う。
→感染レベルが2の間は継続して実施して行く。
⑦ しかし、この検査の対象者は不安のある方のみで、熱など症状が出た方や濃
厚接触者は対象外となっている。発熱外来が逼迫してどうしようもないという事態になって、その対策を取ってきたわけだが、先行会派への答弁では、PCR検査について、9月補正の中で医療機関にオンラインなどの必要な機器も含めて、検査をやる医療機関にも補助するという内容だったが、オンライン診療も大事だが、検査もすごく大事である。27億円計上されているが、どのくらいを見積もっているのか伺う。
→今回の補正予算は、オンライン診療の補助とPCR検査機器などなどの設備整備は別立てですので、まずオンライン診療のところでは、発熱診療など医療機関の中で、オンライン診療をやっていただいている医療機関は、大体400ある。それを1,5倍くらいに増やしたいということで、予算上の積算ですと200件の補助対象を見込んでいる。設備整備の補助は額が大きく、具体的には病院への換気設備とか、空気清浄機の補助、あるいはPCR検査機器など、非常に幅広いメニューがある。一概に何件とかといった目標は立てていないが、出来るだけ幅広く使っていただいて拡充していただきたい。
●集中検査及び高齢者施設への往診可能な医療機関の確保について
① 集中検査についてだが、私の先日の代表質問の答弁で、高齢者施設で陽性者が発生した場合に、県庁から検体採取チームを派遣し、より迅速に行っているとのことでした。この間の実績を伺う。
→4月から9月までに150施設に派遣して速やかに集中検査を実施した。
② 高齢者施設への往診可能な医療機関の確保について、必要に応じて医療機関による往診治療も行うことで感染拡大や重症化の防止を図っているとのことでした。以前、3割の高齢者施設で、往診可能な医療機関がないので、募集していると伺ったが、増えているのか伺う。
→第6波の昨年12月頃には、中和抗体の投与を中心に、まず往診いただく医療機関を募集.開拓して、当時は13医療機関だったが、その後、「高齢者施設などクラスター対策医療機関」という名称で、服薬投与なども含めてやっていただくところを募集し、現在のところ、50医療機関が登録していただいている。
要望
第7波は高齢者施設においてクラスターの発生がとても増えて亡くなる方も増えた。高齢者施設などで、一人発生した時に、早期に集中検査を実施することで、感染拡大を防げるので。ぜひしっかり取り組んでもらいたい。早期に治療することで重症化を防ぐことができるのだから、往診可能な医療機関を増やして重症化しない取り組みを強めていただきたいと要望しました。
●新型コロナウイルス対応に係る公的・公立医療機関の役割について
県は、新型コロナウイルス対応に係る検証と国への提言を6月に行いました。
コロナで顕在化した保険医療提供体制の問題点として、「我が国の医療機関は民間中心で公的機関が少ない」と指摘しています。
① 本県の公的医療機関が、コロナ対応において、神奈川モデルなどで大きな役割を果たしてきたと思うが具体的に伺う。
→神奈川モデル認定医療機関は神奈川県で200いくつありますが、その中で、陽性患者を受け入れる医療機関が100ちょっとである。その中で公立・公的医療機関は48ぐらいある。
県内の病院は340ぐらいあるがその中で公立.公的医療機関が51ある。その51はほぼ全部コロナをやっていただいている。コロナ医療においては、公立・公的医療機関の役割は非常に大きい。今後とも連携を強めながらやっていきたいと考える。
② 本県の感染症指定医療機関は、県内では8医療機関74床です。このうち7
つは公立病院でもう一つは公的病院です。この点でも大きな役割を担っていますが、今後、この指定病院とベッド数を増やすことについて見解を伺う。
→現在の74床はコロナ禍のような大幅な感染拡大を想定したものでは当然ないので、現在、国が今後の感染症対策を全体で考える中で、感染症指定医療機関という考え方をどうするか検討されていると承知している。本県でも注視して対応を考えていきたい。
③ 2019年に国が、機能の再検証が必要な公立・公的医療機関を公表した際、
わが党の上野議員が、一般質問で質問し、知事は、「今回再検証が必要となった県内の病院は、救急医療や小児・周産期医療などそれぞれの地域で重要な役割を持っているとし、基本的には、病院の統廃合や病床の削減といった、再編統合を進めるべき地域には当たらないと考えている」との答弁をいただいています。
その後、2020年から新型コロナウイルス感染症が、猛威を振るう中、さらに公立・公的医療機関の役割が増大しました。改めて、この立場に変わりないと考えるが健康医療局長に確認させてください
→国が公表した時に、県内の医療需要はまだまだ伸びるということ、救急医療などで非常な役割をはたしているということ、コロナ禍の中でも県内の公立・公的医療機関のほとんどがコロナにご協力いただき、さらに加えていうと、精神科医療とか周産期などの特殊な医療の分野でも公立・公的病院がしっかりと重要な役割をはたしてくれた。こうしたことを踏まえて、将来の医療需要や社会情勢の変化を考えながら、必要な医療を必要な地域に届けていくことを検討していく必要がある。そして、医療提供体制を構築していく必要があると認識している。
要望として、
県は、例えば、精神に障害のある方がコロナに感染したばあいには、県立精神医療センターが湘南鎌倉病院と連携して治療にあたった。あるいは妊婦さんが感染した場合や一人暮らしの高齢者の方が感染した場合などの受け入れ病院として、県立の施設を設定した。公立、公的病院だから、担ってもらえる。
ぜひ、しっかり、公立・公的医療機関を守っていく立場を引き続き持っていただくことを要望する。