議会活動報告

平和のシンボル、金魚が泳ぐ城下町・大和郡山市の学科指導教室「ASU」を視察しました

2018年4月22日

CIMG276218日の午後、金魚で有名な城下町を車で移動、城下町のたたずまいが情緒をかもしだし、時間があれば散策したくなる町並みを抜けて市役所へ。表玄関にも大きな金魚鉢に金魚が泳ぎ、市役所の公用車にもシンボルの金魚が描かれています。奈良県大和郡山市の「不登校対策総合プログラムASUのとりくみ」についCIMG2770て、市役所で説明をしていただいたあとに、公用車で学科指導教室「ASU」を案内していただきました。柳沢15万石として400年前に築城された郡山城ですが、お城は姿を消しているものの立派な石垣がのこるお堀の脇を走り、郡山城址の最近復元されたという追手門をくぐり進むと目の前に郡山城址会館の歴史を感じる立派な建物が。ここが、学科指導教室 「ASU」ですと案内していただき中をみせていただきました。

不登校児童対策
大和郡山市は平成9年に適応指導教室「あゆみの広場」を開設して不登校児童対策を行ってきたが、不登校の生徒の減少には至らなかった。そのため、不登校の状態にある児童生徒が、明日へと生きる希望をつないでいけCIMG2771るよう構造改革特区に申請、認定され、平成16年4月から学科指導教室「ASU」を開室。適応指導教室「あゆみの広場」で得られた「臨床の知」を生かしながら、柔軟な教育活動を展開する事が可能となるよう、現行の「教育課程の弾力化」とともに、「市費負担常勤教員」の配置を行い、不登校児童生徒に新たな学びの場を提供する。同時に、不登校児童生徒のために、市内の通学区域を弾力化し、転入学や主体的な進路指導が可能となるよう配慮する。

市費負担常勤教員を配置するなどの体制がとられています。
スタッフは教員10名で週5日勤務が6名、週1〜3日勤務が4名。(雇用は常勤が3名、非常勤が7名)とのことです。市費負担常勤教員の他、県費教職員もいるとのことです。カウンセラーは3名、市指導主事1名、学生チューター1名とのことです。

心の居場所をつくる。豊かな体験活動を行う。進路を保障する。
これが最も重きをおいているとのこと心の居場所つくりでは、安心して通う事ができるよう、全てを受入れることで、ここにいてもいいんだという安心感をはぐくむ。20人のこどものなかには、なかなか集団に入れない子もいるが時間をかけるなかで入れるようになっていく等がはなされました。

豊かな体験活動として、柔軟な教育プログラムを組んでいます
国語、社会、数学(算数)、理科等の学科の他に、 CIMG2768
●いきいきタイム(音楽、美術、小学生は図画工作等芸術の分野)、
●わくわくタイム(調理実習や製作、自然体験や勤労生産活動など)
●スポーツタイム(体力の向上やコミュニケーション能力の向上をはかる)、
●チャレンジタイム及び選択チャレンジ(自分で計画を立て得意な学科や学びたい学習に主体的に取組む)
●あゆみタイム(自分自身を見つめたり、自分や他人と語り合ったりする活動を行い、自己認知や他者認知を深める。臨床心理士とのティームティーチングによる授業)
●学生チューター(授業中は個別指導の補助。年齢的に近いこともあり、児童生徒のよき相談相手としても活躍)

内申書の作成が可能となり高校受験ができる
適応指導教室とことなり、原籍校にもどれるようにすることを目的とするのではなく、ここを卒業して自分の進路として高校進学ができるようにすることをめざしていますとのこと。平成16年から、「ASU」作成の調査書で高校受験ができるようになっているとのことです。年間に進路説明会を夏と秋に2回、3者懇談を2回、その他3年生1回、1〜2年生も1回)開催すするなど、丁寧に関わりながら目標を見つけられるように支援をしていく。

卒業生は全員進学
平成29年度の卒業生10名が全員進学(公立8名、私立2名)平成28年度、11名が全員進学(公立11名)するなど、ほぼ毎年全員が進学しているとのことです。

感動の卒業式
卒業証書は「ASU」の校長先生と担任からの2枚と原籍校の校長先生からの3枚。開設10周年を記念し、在校生の[ ASU]に対する想いをシンガーソングライターの西浦達雄氏に曲にしていただいた「ASU」のうたをうたう「卒業式は、生徒も保護者もよくここまできたという感慨で本当に感動的な卒業式になるとのことです。

通室生の「ASU」に対するイメージと「ASU」のうたを資料でいただきました。通室生の「ASU」に対するイメージ、「ASU」のうたJPG
生徒さんの思いが寄せられています。ここでの体験が本当に大切な場所かがわかります。添付させていただきます。

川崎市の小中の不登校の児童生徒はおよそ1200人で、この数年間減っていません。川崎市では適応指導教室「ゆうゆうひろば」が6カ所あります。子ども夢パークのなかにフリースクールえんもあります。一人一人に寄添った支援をしていただいています。不登校になった児童生徒への支援のあり方について、今回の視察は大変勉強になりました.更に充実させていかなくてはならないと思いました。そして、同時に、不登校にならないための教育環境の充実も欠かせないと思います。大和郡山市は35人以下学級を小学1年から中学3年生まで行っているとのことです。前提に少人数学級が行われていることは大切です。