日本共産党
前神奈川県議会議員

石田 和子

いしだ かずこ
くらしと平和 希望ある未来へ
石田 和子
ブログ

このまちとともに 県政版No.13 2022年4・5月号を発行しました

2022年4月9日

2022年第1回定例会が3月25日に終わりました。

代表質問(井坂しんや議員)、一般質問(大山奈々子議員)は県議団ニュースに掲載されますのでご覧ください。石田和子のこのまちとともに県政版は、環境農政常任委員会と社会問題対策特別委員会で行った質問の中から報告します。是非、ご意見をお寄せください。

このまちとともに県政版 N013 2022年4・5月号-0001

このまちとともに県政版 No13 2022年4・5月号-0002

第1回定例会社会問題対策特別委員会で質問(3/10)
◆行政のデジタル化で住民サービス後退の懸念
デジタル技術は人類がうみ出した最新の技術です。地方自治体においてもこの技術を有効に活用して、住民の福祉の増進と自治体職員の労働条件の改善を図ることが必要です。しかし、デジタル技術は未完成であり、セキュリティも「万全」ということはなく、使い方を誤れば住民に重大な権利侵害をもたらすものと懸念します。
そもそも、データの民間活用が念頭に置かれており、「行政のデジタル化」の問題点は
①プライバシー侵害の拡大
②住民サービスの後退
③マイナンバー制度の拡大
④官民癒着の拡大

です。
「かながわICT・データ利活用推進戦略」を策定(21年12月)県はデジタル戦略の推進体制、具体的な取り組みを示しました。行政のデジタル化で住民サービスが後退しないか懸念される3点について質問しました。(▲は総務局デジタル推進本部室情報企画担当課長の答弁)

自治体独自のサービスと窓口の対面サービスの継続を!
①国は、「情報システムを標準化・共通化」するとしているが、住民税や国保料の減免など自治体独自の住民サービスを継続できるシステムを検討すべきと質問。
▲自治体独自の施策についても、国は標準準拠システムのオプション機能や、システムの設定値を変更することなど対応策を検討していると答弁。

②国は、自治体の業務内容を国が決めた標準化システムを利用することを義務づけたが、自治事務を標準化の対象とするのは地方自治の侵害にあたるのではないかと質問。
▲標準化の対象は住民基本台帳や戸籍など、地方自治体で創意工夫の余地が少ない事務とされており、それ以外の独自性を発揮すべき事務は標準化の対象とされていないと答弁。

③デジタル化を口実に窓口の削減、出張所の廃止などが起こる懸念がある。窓口の個別の相談業務は丁寧な聞き取りが必要と指摘。デジタル化によって窓口・対面サービスを縮小させてはならないと考えるが対応について質問。
▲行政手続きのオンライン化はあくまで行政手続きにおける手段を拡大する取り組みであり、デジタル化の推進は即、窓口の見直しにつながるものではないと考えると答弁。

個人情報保護を!「外部への情報提供は本人の同意必要」と要望
21年5月、デジタル改革関連法の整備に伴い、個人情報保護法が改正され、「匿名加工情報」を民間事業者に提供する制度が地方公共団体にも導入されました。この制度は行政機関がどのようなデータを持っているか「個人情報ファイル」を公表、行政が保有するあらゆる情報を、名前や住所の番地を隠すなどの加工をすれば外部提供が可能となる仕組みです。行政から提供する際、本人同意が必要ないばかりか提供したことを本人に通知しておらず、提供対象から外して欲しいと請求することもできません。本人の同意のない個人情報を利活用するやり方はやめるべきです。個人情報保護を守り、憲法に基づく個人情報の自己コントロール権や自己決定権を保障することを要望しました。

◆「かながわ個性の不安・困りごと相談室」の拡充を
コロナ危機は、女性に様々な犠牲を強いました。非正規雇用で働く女性が仕事や居場所を失い、女性の貧困問題が顕在化。また、DV被害が急増し女性の自殺の増加率は男性の5倍にも達しました。県は生活困窮者の支援に全庁体制で取り組む「生活困窮者対策推進本部」を設置。その一環として、21年8月に開設された「かながわ女性の不安・困りごと相談室(TEL:0467-46-2110 http://inclkanagawa.net)」の実施内容などについて質問。
〇居場所の提供、同行支援、他機関との連携も実施(▲は人権男女共同参画担当課長の答弁)
▲コロナ禍で、困難を抱える女性が自力で支援にたどり着けず課題の深刻化を防ぐために、早期に見つけ適切な支援に繋げる目的で始めた。
▲運営は一般社団法人「インクルージョンネット神奈川」に委託。鎌倉市を拠点としているが県全域に対応。
▲2月までの約半年間にメールや電話、面接による相談は延べ924件、居場所支援は10件、同行支援・訪問支援は17件、他機関との調整は126件対応。
▲相談の最も多いのが横浜市21%、次が川崎市と鎌倉市で7%強に続き県域から相談がある。
▲21年度の8月からの委託費は903万円余、22年度は2085万円余に増額し、相談員の配置人数を拡大、県内の女性専用の無料定額宿泊所への訪問支援を行う予定。〇県内1カ所ではなく今後増やすことについて質問
▲県内全域で支援を実施する必要がある。22年度委託する団体が、県内各地にNPO団体などとのネットワークを持っているか、または県内に多くの拠点を持っているかなど実施体制について確認をしていくと答弁。〇私は一人ひとりに寄り添う丁寧で具体的な支援を要望しました。

◆環境農政常任委員会で質問(3/8)太陽光発電の取組の強化を
県は「環境基本計画」の20年度の取り組みの内、「太陽光発電の取組は目標に対してやや遅れている」と自己評価。▲目標達成のため、今後太陽光発電の導入支援、家に断熱材などで省エネをした上で太陽光発電などで創エネをするネット・ゼロ・エネルギー・ハウス(ZEH/ゼッチ)の導入支援、燃料電池自動車の導入拡大やEV(電気自動車)導入への補助などを行うと答弁。
来年度の補助額が60%削減された住宅用0円ソーラーと蓄電池導入について、応募が多い場合は追加募集すべきと要望。

省エネルギー対策の強化を
省エネ診断で提案された設備を導入する中小規模事業者に対し、共産党は設備導入にかかる費用の補助を要望していましたが、新規に一部補助の予算が1億4千万余計上されました。周知の徹底と応募が多い場合には追加募集を行うことを要望。併せて、既存住宅省エネ改修費補助などの増額を要望しました。

2030年度のCO₂削減目標を高く設定することを要望
この10年間が気候危機を脱するうえで決定的に重要です。CO₂の削減の中期目標を国と横並びの46%ではなく、先進諸国のように高く設定することについて質問。
▲県は23年度に実施する予定の地球温暖化対策基本計画の全面改定の際には、各種統計やデータなどを参考に中期目標についても再度検討すると答弁。

水産業を守るため、栽培漁業への財政支援の復活を
1987年に設立された「公益財団法人神奈川県栽培漁業協会」は、マダイやアワビの種苗を生産して放流などを行う栽培漁業を担っています。近年、地球温暖化や海洋の環境汚染による相模湾の磯焼けや東京湾の貧酸素などにより。放流尾数を減らすなどの見直しがされました。

〇第3セクターの見直しで停止した財政支援の復活を!
設立以来、県は栽培漁業協会への人件費や運営補助費を行っていましたが、2010年度第3セクターの見直しを実施、財政支援を停止しました。そのため、12年度以降、当漁業協会は赤字が続いています。漁業は農業と同様、自然条件の制約を大きく受け、自然との共生・環境の中で営まれる産業です。その上、地球温暖化の影響を受け、漁業環境が悪化しているのですから、本県の水産業を守るために、行政の財政支援を要求しました。

◆2022年度の予算化を一部紹介
住民要望が大きい南武線武蔵溝ノ口駅ホームドアの設置
▽南武線登戸駅もホームドアの設置
▽全県立学校への生理用品の配備
▽子ども食堂への支援(協力金の支給、ネットワーク化)
▽道路標示の補修などの交通安全施設予算の増額
▽川崎南部に県立特別支援学校の新設(場所・旧河原町小学校跡地。測量調査費計上)
▽私立高校の学費補助(子どもが3人以上の世帯は年収800万円まで無償化、900万円未満は一部補助)
▽夜間定時制高校14校で夕食の費用補助(本人負担1食・320円⇒200円へ軽減)

◆地域の声
●大雨が降ると平瀬川の東久地橋手前の多摩沿線道路から管理用通路に雨水が跳ね落ちるとの相談があり、道路公園センターに要望。柵が設置されました。
●千年の南部変電所西側交差点の点滅信号機の廃止が通知され、かつて車の衝突事故があり危険な交差点だがその後の対策はどうなるのかとの相談があり、高津警察署と県警に問い合わせ。廃止と同時に一時停止線が設置されました。

PAGE TOP