青年・学生支援を求める要望書〈この間、切実な要望を県担当者と懇談=1〉
この間、いくつかの団体の皆さんから、県政に反映してほしいという切実な要望書提出の機会に同席させていただく機会がありました。その都度、ブログにアップできずため込んでしまい、忘れ物をしたような気持ちにさいなされていましたが県議会第2回定例会の常任委員会も無事終わり、最終日の本会議を残すのみとなり、メモを頼りに記憶を辿りながら急ぎ取り掛かりました。
6月7日、日本民主青年同盟(略称:民青)神奈川県委員会のみなさんが、この間取り組んできた「今の暮らしと政治について、新自由主義を乗り越えるための青年の生の声」運動にとり組んできた中で要請項目をまとめて、黒岩知事に提出。県の担当者と懇談、担当者も非常に熱心に聞いてくれました。
冒頭、提出者から今、競争と自己責任が強まる新自由主義的な政治のもとで、生活の弱みを見せたり政治的・社会的に対する正直な思いを話すことは、攻撃されたり見下されたりする恐れのあることとして敬遠されてきた。同世代同士でも話を切り出すのに壁があった中で、若者同士の同世代の関係性の中で行なった聞き取りだからこそ相手が話してくれた実態や思いがたくさんあったと代表者がその思いを話しました。
県の担当者は、県は生活困窮者対策を進めるにあたり、生活困難な方への支援を行なっているNPO法人に、1月から16団体にヒアリングをしてきた。今年度は若者、学生にヒアリングを行う。NPO法人の人経由で実際の意見を聞き、何かできないか庁内で検討していると、応じ、逆に、若者の声を聞きたいと考えて、支援をしている人の声も聞くがなかなかつかめない。どうしたら言って来てくれるか、生の実態を把握するには、どのようにアプローするのが良いかなどの質問もされていました。
それに対して、この間、民青が食料支援に取り組んできた中で気になる方と話したりしてきたが、周りも同じ声を出していると安心して自分もそう思うと話してくれる。「可視化することが必要と思う」と経験を話し、「行政はそれを受け止めているということを県のHPで発信してほしい」と要望していました。
【具体的な要請点】
1、学生・院生・留学生への給付金を。一人10万円の特別定額給付金の再支給を国に求めて。
2、生活に困窮する若者に家賃補助を
3、県立保健福祉大学の学費を半額に。国に対して大学・短大・専門学校の学費の半額化を。学生支援の奨学金の返済猶予を国に求めて。
4、ケア労働の待遇改善と増員・就労支援を
5、コロナ患者から若い世代をも守るために。(検査の拡充、ワクチン接種の迅速化など)
6、オンライン授業の長期化などに伴い、心身の健康や生活に関わる相談窓口の設置を。
7、若者・学生の問題に取り組む部局の設置を。
8、徳島県は食糧支援に2400万円、静岡県では学生支援に約11億円の予算をつけている。神奈川県も青年・学生支援を。
【県当局から】
すぐには実現を目指すというような見解はなかったものの、全体的には、受け止める方向での説明がありました。以下は、説明の概要です。
1、 5月に9都県市首脳会議が開かれ、国として大学への学費支援の継続を要望している。
2、 仕送りが途絶えた人への住まいの確保は重要。若い人がホームレスやネットカフェ難民になるのは避けなくてはならない。給付金は大学生は使いずらい。収入減少が条件となっているがもともと学生をターゲットにしていない。学生が使えるスキームになっていない。使いやすいものに。
3、 県立保健福祉大学では、コロナ禍の下で、家計急変者にも入学料、授業料の減免対象に加えている。半額は難しい。
4、 介護職への3%の上のせが3回行われている。就労支援として20万円の貸付、2年間県内で働いていれば返済不要。
5、 コロナ感染の時々の特性に応じて行なっている。現在、重症化リスクが高い高齢者を対象にということで、高齢者施設で、一人の陽性者が発生した場合、県の医療危機対策本部室からチームを派遣、周囲の人含めて検査を実施している。早期発見は必要なので、施設に検査キットを備蓄し、症状が出たら速やかに検査してもらう。若者へのワクチン接種を進めるためには、市町村に対し、夜間にも摂取できるよう時間帯を伸ばすことが必要。
6、 県内6カ所のサポートステーションにおいて、子ども若者相談としてラインの相談時間を、13時〜15時 ➡️ 14時〜21時 に延長した。
7、 庁内組織として、「青少年総合対策部会」を設け青少年総合対策問題に取り組み、「生活困窮者対策本部」が、いろいろな課の取り組みをまとめている。生活に困りの方に、NPO の方にヒアリングをしている。今年度は、先にも触れましたが、若者・学生に対するヒアリングを実施する。
8、 食糧支援は各地域のフードカンパニーが、寄付してくれる企業や物品の提供、物流などをマッチングし、地域の取り組みを支えていく。
若者の実態として、「親からの仕送りがない」「妹が大学に入るが自分で学費を稼がなくてはならない」「病気で定期的に受診が必要だが、自分で医療費を捻出しなくてはならない」などの学生の具体的な実態を紹介。「若者は経済的困難に直面しても容易に扶助制度などは思いつかず、バイトを増やすなどの対応になる」「若者は貧困を自ら言い出しにくいので容易に相談できない」などの意見に対し、若い人が特にコロナの影響、経済的影響の中で自分たちの責任で負い切れない。維持し切れない、追い込まれている実態を政策課題として受け止めていると答えました。
県の担当者が熱心に聞いてくれて、情報を共有しながら、率直な意見交換ができました。
具体施策の充実ができるよう取り組んでいきたいと思います。