日本共産党
前神奈川県議会議員

石田 和子

いしだ かずこ
くらしと平和 希望ある未来へ
石田 和子
ブログ

コロナ対策と当事者目線の障害福祉推進条例についての意見発表

2022年10月8日

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当常任委員会に提案された議案、報告事項について、共産党県議団を代表して意見発表します。(実際は途中、中抜きしたところもあるかもしれません)

●新型コロナウイルス感染症対策についてです。

全数届けの見直しについてです

今回の見直しによって、医療機関で診断され、1、発生届けの対象となるかた、2、対象とならない方、3、抗原検査キットで陽性結果が出た方と3パターンに分けられました。(最後に私がまとめた資料を追加しました)

問題は、3つのパターンによって、登録先の違いや、健康観察、医療へのアクセスなどが今までと違うこと。3パターンとも、不安や相談に乗ってもらうためには「療養サポート窓口」か「陽性者登録窓口」に自分で登録が必要になること。

健康チエックもラインによるセルフチエックのみになること3パターンとも高熱が続くなど症状が悪化した場合や受診が必要かどうかの相談は「コロナ119番」に電話することになるが、「症状が悪化」の判断を自分で行なわなければならなくて不安になる方が多と思います。

その判断の遅れで手遅れになることはあってなりません。急変した時の医療への早急で万全な繋ぎを図るために、コロナ119番の回線数や相談に応じる看護師なども増やしてはいますが、受電率を100%にすることを求めます。

また、健康観察は、重症化リスクが高い発生届けの必要な方には、従来通りに保健所が行うことを強く求めます

・さらに、発生届けの見直しによる手続きの違いをしっかり周知すること。自分で登録ができない方への丁寧な対応も求めます。

次に検査体制についてです

発熱時等に初熱外来が逼迫して繋がらなかったことが問題になりました。(そのために、無料のPCR検査センターの設置を代表質問で求めたが、)9月補正予算で医療機関のオンライン診療の補助と設備整備などの補助の予算が27億円計上されたことは重要です。その中にPCR検査機器も含まれるということです。新型コロナ感染症対策の基本は検査体制の拡充と思いますので、拡充が図れるよう取り組んでいただくことを求めます。

高齢者施設へ迅速に検査を行うための県庁からの検体採取チームの派遣ですが、4月から9月までの間に約150施設に派遣したとのこと。以前の調査よりもかなり増えていると認識しています。早期に集中検査を行うことで、感染拡大を早期に抑えることにつながるので引き続きの取り組みを要望します。

高齢者施設への中和抗体の投与を中心に往診いただく医療機関昨年12月頃は13医療機関から、服薬投与なども含めてやっていただく「高齢者施設などクラスター対策往診医療機関」という名称で、現在、約50の医療機関が登録しているとのことです。高齢者施設におけるクラスター発生を極力抑えて、命を守る対策として、引き続きの取り組みを要望します。

感染症対策において、公的公立医療機関の果たす役割が大きいことが確認しました。

国が、2019年に本県の機能の再検証が必要な公的公立医療機関を10病院を挙げましたが、コロナ禍の元でもまだ、国はその方針を持っていると聞いていますので、ぜひ県として病院の統廃合や病床の削減はさせないという立場を堅持し、国に対し主張していただく事を要望します。

●次に当事者目線の障害福祉推進条例についてです。

質疑で大事な問題を確認しました。

第8条で「基本的な計画を定めなければならない」と責務規定になっていることについて、規定する計画については、今ある「かながわ障害者計画」および「神奈川県障がい福祉計画」との整合性をはかることが必要であり、どのように計画を策定していくか検討していく。またこの二つの計画には、当事者目線の障害福祉の理念について反映させていくことになる。障害当事者や支援者団体などの皆様と丁寧に意見交換しながら検討を進めていく必要があるとのことでした。条例を推進するには実効性のある計画をどう策定するのかが問われる問題であり、条例案とともに、今後早急に一定の方向性を示すべきと考えます。

規定する計画には数値目標を立てるかどうかも検討していくとのことですが、障害のある方が増えるとともにニーズはますます増えています。また、この条例の目指すところを考えれば、当事者の皆さん、当事者団体、支援団体の皆さんとリアルな実態を把握しながらサービス供給量などを具体的に盛り込んで増やしていくことを求めます。

障害を理由とする差別に関する相談助言、紛争の防止、解決を図ることについてです条例案には差別を受けた場合の相談とか紛争解決に関する規定が盛り込まれ、相談窓口の強化とともに、差別を行なった側と、差別を受けたとする側の、双方の関係者から意見を聴取し、第3者的な立場からあっせんを行い、紛争の解決を図る体制の整備などについて検討を進めるとのことです。13条にあっせんを行うことが規定されたことは重要と考えます。

具体的な事例として、グループホームの整備に対する住民の反対運動が起こるような時の対処として、基本的には第7条に事業者の責務として地域住民などとの連携に努めることを規定しているので事業者の責務だが、なお難しい時には、13条の「あっせんを行うこと」の規定に基づき解決を図ることを検討していくとのことです。あっせんを規定したことは重要と考えます。

障害福祉にかかる政策立案過程への障害者の参画の推進についてです。

障害者の福祉にかかる政策の立案は「医療」「雇用・就労」「教育」「住宅」といった障害当事者の生活にかかる分野を想定しており、計画を策定する会議も入るとのことですが、そのような際には計画策定委員会のような会議を設け、当事者も計画段階からの参画を要望します。今議会に提案されている「みんなのバリアフリー街づくり条例」の中に「計画段階から障害者の参画を得て整備を行う」と条文に明確に位置付けられており、具体的な計画の中にこのように参画を明文化する事を要望します。

努力規定から義務規定になった「人材の確保、育成について」基本計画にしっかり盛り込むべきと求めましたが、「どのように規定するかも合わせて検討する」との答弁でした。条例を推進するにあたっては、最大の課題の一つと考えます。是非専門性を高め、継続して働けるために、しっかり計画に入れる事を求めます。

「就労実態の把握を行う」ことについて各障害サービス事業所への調査方法など、具体的にどのように行うのか今後検討していくとのことです。雇用形態や賃金実態、勤務時間、就業年数、要望の把握を行い、リアルにつかむことが対策を立てる上で重要と考える。是非、早期に調査を行うことを要望します。

附則の5年ごとに計画のみ直しを行うことについて、必要に応じて、障害当事者、関係団体等の意見を踏まえながら見直しの検討を進めていくことになるとのことです。

第2回定例会での素案の質疑において、前文に障害者基本条約及び障害者差別解消法の理念を入れることを求めましたが条例案に盛り込まれました。また、「障害を理由とする差別・虐待の禁止」が明確に盛り込まれるなど、いくつか条文の肝にあたる部分が、努力規定から義務規定に修正されました。

また、 条例の名称についても意見発表の際、私は、団体の方々からの意見を引用し「障害福祉では範囲が限られてしまう」「求めるのは地域のみんなと一緒に活動し楽しむことだから「ともに生きる社会推進条例」の方が良いと提案されていると述べ、検討を求めました。このたび、副題に「共に生きる社会をめざして」が示されたことで、条例の目指す方向がより分かりやすく、理念も高まったと思います。

(以上の意見要望を述べた後、以下の意見を付して賛成しました。)

神奈川県当事者目線の障害福祉推進条例の施策の推進にあたっては、障害当事者とご家族の多様なニースに対応できる受け入れ態勢のさらなる整備・拡充、担い手人材の育成・確保と処遇改善、実効性を担保するための財政支援と推進体制の機能強化に努めるとともに、諸情勢の変化に応じ、柔軟かつ果断に見直しを行うことの意見を付して原案に賛成します。

これを除く書議案については、原案の通り賛成または承認し、意見発表を終わります。

後述

最後に付した意見については、自民党会派の提案で全会一致でした。「さらなる整備・拡充、担い手人材の育成・確保と処遇改善、財政支援と推進体制の強化に努める」が盛り込まれた意見であり、私も当常任委員会で質疑して一貫して求めてきたものです。この意見を付したのは意義が大きいと思います。

追加

*3パターンについて、当局資料からまとめてみました

*医療機関で診断され、発生届けの対象になった方は、県から療養案内のメールが届くか保健所から電話がある。スマートフォンのお持ちの方は「神奈川療養サポート」への登録を行う。不安や困りごとは「県療養サポート窓口に相談する。高熱などの症状が悪化した場合などは「コロナ110番」に電話する。

*医療機関で診断され発生届けの対象外になった方は保健所からの電話はありません。「陽性者登録窓口」に登録をします。登録後、県からSMSで療養のご案内が届き、ラインによる健康テェックや受診相談などをする事が可能になる。陽性者登録をすると、1、ラインによる健康テェックでセルフケアが可能、 2、宿泊療養施設の利用(一定要件あり)、3、配食サービスの利用(生活困窮者の方)、4、コロナ119の利用が可能になる

*抗原検査キットで陽性結果が出たら、陽性者登録窓口に登録か、医療機関を受診。陽性者登録窓口に登録すると、発生届けの対象外となった方と同じサービスを受けられるとのことです。)

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